新興国に取り組むフェイスブックとグーグル
グーグルは今回のGoogle I/Oの基調講演で、Androidの月間アクティブデバイス数が20億台に達したことをアピールした。そしてAndroid Goは、「次の10億人」にフォーカスを当てた戦略的なプラットホームと位置づけている。
グーグルは、YouTubeやGmail、Googleフォト、Chrome、Googleマップなどの各サービスが、10億ユーザー以上に活用されている点を挙げた。Android Goやこれに最適化されたアプリの提供は、各種サービスの利用者数の拡大を加速させ、足下のビジネスである広告プラットホームの持続的な成長をもたらすと考えている。
同じように広告のビジネスモデルを取るフェイスブックも同じアイデアだ。前述の軽量化アプリの例に挙げていたFacebook Liteや、Facebook Messengerのビジネス活用は、Facebook体験をより広い人々に提供するための手段となっている。
また、グーグルとフェイスブックは、インターネットの接続環境に乏しい地域に対する接続性を確保する取り組みも行っている。
グーグルのProject Loonは、気球によってインターネット接続を空から提供することを計画している。フェイスブックはInternet.orgの取り組みとして、ニュースや求人、健康、教育、コミュニケーションに関するデータ通信を無償化する「Free Basics by Facebook」や、太陽電池を搭載する無人飛行機Aquilaによる空からのインターネット接続に取り組んでいる。
インターネットに接続可能にし、サービスを利用可能にし、そうした人々を増やし続けることを、グーグルやフェイスブックの持続的成長の手段としている共通点を見出すことができる。
一方、アップルはどう取り組んでいくのか?
広告をビジネスモデルとするインターネットプラットホーム企業、グーグルやフェイスブックの共通点に対して、アップルの取り組みはどうだろうか。
アップルは今のところ、iPhone向けのiOSに軽量版を登場させたり、100ドルを切るiPhoneを販売するといった計画を見せていない。今のところ、そうした計画がすぐに具体化する可能性も低いと考えている。