負けないパイオニア

パワーメーターは自転車をこいだ力を測定する機材だ。しかし、重要なのは計測したデータ。計測データを分析し、有効活用していくことが必要となる。そこで求められるのが知識を得るための情報だ。近年、パイオニアはここを充実させている。

パワーメーターは競技志向の高い人向けの製品と書いたが、今、最も普及しているのは、トップアスリートではなく、その下のレベルの人たち。レースイベントのユーザーデータを統合して分析すると、イメージ的には、少しでも短い時間で遠くまで走れる、速くなることに楽しみを見出しているような人たちが最も多く、この層が有望な見込み客になるという。

つまり、メインターゲットはプロのようにトレーニングコーチがいるような人たちではない。しかし、そうした人たちから求められ、必要とされるのはトレーニングコーチなのだ。であれば、ペダリングモニターシステムがトレーニングコーチになればいい。

そうした考えをもとにパイオニアは、データ解析ウェブサービスのシクロスフィアを定期的にアップデートし、レースコースに応じたトレーニングアシスト機能を充実させている。この機能を活用することで、ユーザーのレベルに合わせたトレーニングメニューが実行でき、ステップを経ながらレベルアップが行えるのだ。

パイオニアは近年「トレーニングアシスト」機能を充実させ、有効活用の難しいパワーメーターの利用推進を図っている(パイオニア資料より)

ほかにも、ユーザーデータをもとにしたランキング表示機能を追加するなどして、トレーニングの質やモチベーションの向上を図っている。

さらには、トッププロチームへの機材供給も行っているため、選手がある峠を上ったときに、どのようなパワーベクトルをもってして、ペダリングをしていたのかをデータとして公開することも可能だし、実際にそうした取り組みは過去に行っている。

こうした機能は、データそのもの、データの蓄積がなければ提供できない。データ量が豊富であるほど、魅力的なサービスにつなげることが可能なのだ。そう考えると、実現してほしいサービスがいくつか頭に浮かんでくる。

仮にシマノが同様のことに取り組み始めても、ゼロからの取り組みとなる。現在のパイオニアがアクセスできる情報量に到達するまでは、かなりの時間がかかってしまうだろう。 詰まるところ、力の計測だけならシマノ製でもいいが、目的をもって、有意義に活用するにはパイオニアを選ぶべき、となるのだ。