そこで総務省では、2017年1月にガイドラインの見直しを実施した。これにより「(2017年8月1日以降の新規発売端末について)MVNO向けのSIMロックを禁止する」こと、および「SIMロック解除に応じるまでの期間を短縮する」ことが新たに盛り込まれた。今後、総務省では消費者が購入した端末をより自由に使えるような、また他の通信事業者にも簡単に乗り換えられるような環境の整備を目指していくという。

総務省では、市場の活性化という観点でマイナスになるSIMロックの仕組みを緩和させていきたい考え

MVNOを意識せずに利用できるように

内藤氏は、最後にMVNOを巡る総務省の狙いについてまとめた。追求したいのは「市場の競争の加速」と「利用者の選択肢の多様化」で、そのためにもMVNOに期待する部分が大きいとする。

大手キャリアとMVNOの提供するサービスには、まだ品質やサポートの面で差もある。そのため、冒頭に述べたような消費者トラブルが起こるのだろう。総務省ではこの格差を縮めていきたい考え。内藤氏は「大手携帯電話事業者ならできるのに、MVNOではできない、を減らしていく。利用者がMVNOを、MVNOと特に意識せずに利用できるようにしていきたい」と話していた。

MVNOを巡る総務省の狙い。大手携帯電話事業者にできることをMVNOにもできるような、利用者がMVNOを意識せずに利用できるような環境を整備していく