登場した新たな広告手法

日本ではラジオ広告費が減少基調にあるが、ネットラジオが盛んな米国では、ラジオ広告市場が1兆円を越える巨大なマーケットを形成している。この巨大な市場を生み出しているのが、番組の聴き手に合わせて音声広告を配信する仕組みだ。ネットラジオであれば、番組を聴いている人の端末から得られる情報を分析し、その人の年代、性別、興味のある分野などに合わせた広告を配信できる。このシステムが確立しているため、広告市場にも活気があるわけだ。

音声広告のターゲティング配信はネットならではの技術で、地上波放送がメインの日本のラジオ業界では真似できない取り組みだった。ポッドキャストであっても、聴き手の属性をラジオ局が知ることはできないため、広告を入れて収益化することは難しかった。TBSラジオがポッドキャストをやめてTBSラジオクラウドを始めたのも、音声コンテンツのネット配信にターゲティング広告を導入し、ネット上の音声広告という新しい市場を日本に創出するための挑戦という側面があった。

そして、日本でもようやく、音声公告のターゲティング配信技術を導入しようという動きが活発化してきている。そのうちの1社がデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)だ。DACの音声広告アドサーバー「FlexOne APE(フレックスワン・エイプ)」を使えば、日本でも米国のような音声広告を打つことが可能になる。この辺りの事情は以前お伝えしたとおりだ。ラジオクラウドにはDACの技術が活用されている。

まずはユーザー数の拡大がカギに

音声コンテンツの収益化に向けては、ラジオクラウドのユーザー数を増やす必要がある。TBSラジオクラウドのユニークユーザーは月間100万人規模だが、ここに他局が加わることで、ラジオクラウドのユーザー数は増える可能性がある。参加するラジオ局が増えたり、オリジナルコンテンツが充実したりしていけば、その規模も拡大していくだろう。

番組をダウンロードしてマイリストに入れておけば連続再生が可能だ

ポッドキャストを行っている他のラジオ局にしてみても、程度の差こそあれ費用は掛かっているわけだし、同じ音声コンテンツを使って収益化に挑戦してみたいという想いは共通しているはず。ラジオクラウドに色々なラジオ局が参加しているのは必然的な流れだといえる。