3年前にレノボが注目したのは、「一部の人たちが、生産性向上のためにタブレットを使い始めている」という動きであった。

若い人たちを中心に発生していた小さな動きではあったが、この潮流を捉えて、「どこにでも持ち出して利用できるモバイルデバイスであり、生産性向上のために利用できるデバイスを、開発のゴールに設定した」と振り返る。そして、「それが、タブレット市場の継続的な成長につながると考えた」とも語る。

実は、通常の製品であれば約1年というサイクルで製品化が進められるが、YOGA BOOKは3年の歳月をかけた。しかも、その期間は限定的できなく、特別にゴールとなる時期が決められていたわけではないとする。YOGA BOOKは、それだけ特別な製品であったともいえる。

「技術がきちんと確立し、製品として満足がいく完成度を持ったものであること、そして、消費ニーズが高まってきたときに出したいと考えていた」。その点では、3年間の期間を経た「いま」が最適のタイミングだと判断しているという。

YOGA BOOKはモバイルデバイスの世界を発端に生まれた。360度回転するヒンジで、タブレットとしても利用できる

どこにでも持ち出して利用できるモバイルデバイスであり、生産性向上のために利用できるデバイスを目指したYOGA BOOKは、最初から30歳以下の男女にターゲットを設定した。

「どんな製品を作るのか、どんなマーケティングをするのかを考える際に、コアの消費者は誰なのかを明確にすることは大切。それによって、コアのターゲットではないが、同じようなニーズを持っている人にまで、明確なメッセージを届けることができ、取り込むことができる。私自身も30歳以下ではないが、出張も多く、生産性の高いタブレットを求めている。ターゲットを明確にすることで、この製品を欲しいと思う人に対して、最高のエクスペリエンスを提供できる」とする。

だが、日本において、30歳以下の男女は、PC離れが進んでいる世代。タブレットよりも、スマホの利用が多い世代でもある。その世代に対して、YOGA BOOKは受け入れられるのだろうか。

「若い人のPC離れは、日本だけでなく、米国をはじめ世界各国で見られている」とSrinivasan氏は指摘しながらも、「先に触れたように、YOGA BOOKは、PCの世界から始まった製品ではなく、モバイルデバイスの世界を発端にした製品。そこにおいて、生産性を高められ るデバイスの市場は確実に存在する。朝6時に起床して、サッとメールを打つときにはスマホでいいが、長文のメールを打たなくてはならないときには、スマホでは操作性が悪い。その際には生産性が高いデバイスが適している。そうした用途を想定して、モバイルデバイスの切り口から作り上げた製品がYOGA BOOKである」とする。