富士通の2016年夏モデル「LIFEBOOK AH42/Y」は、15.6型液晶を搭載した売れ筋のA4ノートPCだ。同社のA4ノートPCラインナップは、フラグシップの「GRANNOTE」、上質な使い心地にこだわった「ハイスペック」、基本性能が充実した「ベーシック」の3つに大別できる。そのうち、「ベーシック」は搭載する機能の違いでさらに2モデルに分かれている。

「LIFEBOOK AH42/Y」はその下位機種に相当し、同シリーズの中では最も安い価格帯に位置する。前モデルから筐体のデザインが刷新されたほか、プロセッサが変更されて性能がアップしているのが特徴。さらにスピーカーやヘッドホン端子、キーボードなど細かい部分で機能強化が図られている。今回、実際の使い勝手やパフォーマンスなどを紹介していこう。

LIFEBOOK AH42/Y

[製品名] LIFEBOOK AH42/Y   [CPU] Intel Celeron 3855U(1.60GHz)   [メモリ] 4GB   [ストレージ] 1TB HDD   [光学ドライブ] DVDスーパーマルチドライブ   [グラフィックス] Intel HD Graphics 510(CPU内蔵)   [ディスプレイ] 15.6型ワイド(1,366×768ドット)   [OS] Windows 10 Home 64bit   [店頭価格(税込)] 118,600円前後  

デザインと性能の両面で上位モデルに近づく

「LIFEBOOK AH42/Yはエントリー向けモデルということもあって、従来は上位機種「AH45/X」に搭載されている機能が省かれていたり、細かい使い勝手が異なっているなど、コストカットを優先した造りになっていた。しかし、新モデルではデザイン、性能ともに上位機種に近づいており、お買い得感がぐっと増している。

ロゴマークのみのシンプルな天板

底面もフラットなデザインでスッキリした印象だ

たとえば、スピーカーは今回から上位機種と同様にオンキヨー製スピーカーが採用されている。また、それに伴いキーボード奥側に円形のスピーカーが配置されるなど、本体の外観も上位機種に近いデザインに変更されている(従来はヒンジ付近にスピーカーが搭載されていた)。スピーカーはハイレゾ音源再生には対応していないが、重厚で迫力ある低音が特徴でPC内蔵のスピーカーとしては良好な方だ。音量を上げても歪みが少なく、細く高い音もきっちり再現される。低域から高域まで音のバランスもよく、これなら普段音楽を聴く際も積極的に使ってみたいと感じた。

スピーカーはオンキヨー製

オーディオ補正技術「Waves MaxxAudio」も搭載している

このほか、上位機種と同様に3段階押下圧のキーボードも搭載された。これは、無変換キーやスペースキーのように親指で押すことが多いキーは重めに、[Shift]キーや[Ctrl]キー、アルファベットのQ/W/A/S/Z/X/O/P/Lキーなどの小指で押すことが多いキーは軽めに調整されているもの。重め、軽め、といってもメールやSNSのメッセージ作成程度だとあまり違いは感じないが、実際に長文を打ってみると、確かに一般的なノートPCのキーボードに比べて小指の負担は少なく感じた。

搭載するインターフェイスは従来とほぼ同等。HDMIは従来はフルHDまでしか出力できなかったが、本機は4K(4096×2160ドット)出力にも対応した。

3段階押下圧のキーボード。親指で押すことの多いスペースキーなどは重めに調整されている

本体左側面にLAN、HDMI出力、USB3.0×3、マイク・ラインイン・ヘッドホン・ラインアウト・ヘッドセット兼用端子を搭載する

本体右側面にダイレクト・メモリースロット、USB2.0、スーパーマルチドライブ、DC-INコネクタなどを搭載している

右側面にあるUSB3.0ポートのうち、一番右側は電源オフUSB充電機能に対応しており、パソコンの電源がオフの時でもUSB機器を充電することができる

液晶ディスプレイ上部には約92万画素のHD Webカメラを内蔵している