今回試した「LIFEBOOK AH42/Y」は、CPUにSkylake世代のIntel Celeron 3855U(1.60GHz)を採用している。従来モデルは、Broadwell世代のCeleron 3205U(1.50GHz)だったので、プロセッサの世代や動作周波数がアップしている分パフォーマンスの向上も期待できそうだ。

CPUの変更に伴って、CPU内蔵グラフィックスもIntel HD GraphicsらIntel HD Graphics 510に変わり、GPUベース動作周波数が100MHzから300MHzに、最大周波数が800MHzから900MHzへとアップしている。

このほか、メモリは容量は4GBのままだが、前モデルのDDR3LからDDR4に変更された。ストレージは前モデルと変わらず、1TBのHDD(SATA、5,400回転/分)を搭載している。

全体に性能強化が図られている印象だが、実際のところはどうなのだろう? いくつかのベンチマークを実行して本機のパフォーマンスを測ってみることにした。まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。

WinSAT.exeとCINEBENCH

プロセッサ 6.3
メモリ 5.9
グラフィックス 4.6
ゲーム用グラフィックス
ハードディスク 5.9

結果を見ると、やはりプロセッサが前モデルよりも高めになっており、0.4~0.5程度スコアが向上している。CINEBENCH R15でも、CPUのスコアは前モデルのCeleron 3205Uより7~10%程度高く、123cbだった。やはり動作周波数分プラスアルファの性能向上が図られているようだ。

CINEBENCH R15のベンチマーク結果

PCMARK 8 HOME ACCELERATED 3.0

続いてPCMARK 8 HOME ACCELERATED では、下図のようになった。

HOME Score 2465
Test duration 44min 57s
Web Browsing - JunglePin 0.36284s
Web Browsing - Amazonia 0.14063s
Writing 6.36393s
Casual Gaming 17.00fps
Video Chat v2 / Video Chat playback 1 v2 29.99fps
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2 98.33333ms
Advanced Photo Editing part 1 0.38516s

「PCMARK 8 HOME」のベンチマーク結果

前モデルのAH42/Xとほぼ同じ構成のノートPCと比較すると15%ほどスコアがアップしており、思った以上に好成績だ。特にVideo Chat encoding v2 AcceleratedやAdvanced Photo Editing 1などが向上しているので、写真編集や映像編集など、ある程度負荷がかかる作業は前モデルよりも快適になっていると思われる。

CrystalDiskMark

次に、「CrystalDiskMark」でストレージ性能を計測してみたところ、下図のようになった。シーケンシャルリード/ライトともに100MB/sを超えており、5,400回転の2.5インチHDDとしては一般的な速度だ。

「CrystalDiskMark」のベンチマーク結果

FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編

このほか、ゲーム系ベンチマークとして、FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編で性能を測定してみた。

グラフィック設定 1,280×720ドット
標準品質(ノートPC) 2185(普通)
高品質(ノートPC) 1747(設定変更が必要)
最高品質 1310(設定変更が必要)

「FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編」の結果

結果を見ると、グラフィックス性能が求められるゲームを遊ぶには少々厳しい印象だが、品質を落とせば普通にプレイできるくらいのパフォーマンスはある。また、前モデルのCeleron 3205Uよりもスコアがかなり上がっている。特に品質が高くなるほどスコアの差も大きくなっているので、グラフィックス負荷の高い作業ほど前モデルからの性能向上を体感できるはずだ。

バッテリはJEITA 2.0で約8.3時間の駆動が可能となっている。そこで、電源プランを省電力、画面の輝度を40%に設定してバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って実際にどのくらい持つのかを計測してみたところ、7時間3分の駆動が可能だった(なお、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている)。本機の場合、室内で据え置いて使うことが多いと思われるので、これだけ持てば十分だろう。

コストパフォーマンスの高さが魅力的

「LIFEBOOK AH42/Y」は外観デザインも上位機種の「LIFEBOOK AH45/X」に近づき、細かい使い勝手も向上して、お買い得感は今まで以上に高くなっている。 富士通の直販サイト「WEB MART」では前モデルのAH45/Xが177,984円、本機AH42/Yが156,384円と2万円以上の開きがある。両モデルの違いはCPUと光学ドライブ程度。標準以上のスペックを求める人には不向きだが、映像編集などの負荷の高い作業を頻繁に行わない人や、Blu-rayディスクが不要な人で、 値ごろなノートPCが欲しいというコスト重視派の人は、ぜひ注目してみて欲しい。

ワンタッチで機能を呼び出せるタッチセンス式ボタンや、ディスプレイを倒すとキーボードの奥側が少し持ち上がるヒンジ部など、使いやすさも魅力のひとつ

製品名 LIFEBOOK AH42/Y
CPU Intel Celeron Celeron 3855U(1.60GHz)
メモリ 4GB
ストレージ 1TB HDD
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
グラフィックス Intel HD Graphics 510(CPU内蔵)
ディスプレイ 15.6型ワイド(1,366×768ドット)
ネットワーク IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1
インタフェース USB 3.0×3、USB 2.0×1、HDMI出力、LAN、マイク・ラインイン・ヘッドホン・ラインアウト・ヘッドセット兼用端子、ダイレクト・メモリースロットなど
メモリースロット SDカードスロット
サイズ/重量 W378.0×D256.0×H24.7~26.4mm/約2.3kg
OS Windows 10 Home 64bit
店頭価格(税込) 118,600円前後