カレーチェーン「CoCo壱番屋」を運営する壱番屋が、英国とインドへの進出を決めた。インドから英国経由で日本に伝わったカレーの伝来ルートを逆にたどるような出店計画だが、本場で"日本のカレー"は受けるのだろうか。

カレー伝来ルートを逆にたどるココイチ

海外でファンを獲得する日本のカレー

農林水産省のHPによると、カレーは18世紀にインドから英国へと伝わり、日本には英国から明治時代に伝来した。インドと英国でもカレーの味は違うようだが、日本では更に独特な進化をとげ、今ではすっかり日本食化している。

"日本のカレー"の代表的存在ともいうべきココイチだが、近年は海外事業の拡大に力を入れている。東アジア、東南アジア、米国などで出店を進めており、2016年6月末時点で海外店舗数は160店に達した。海外売上高も順調に伸びているようだ。海外の店舗では、現地の事情に合わせて多少はカレーの味を変えているようだが、基本的には日本の味で勝負しているという同社。日本の味が受けたからこそ、海外事業も好調に推移しているのだろう。

海外事業は店舗数・売上高ともに右肩上がりだ(壱番屋の2016年5月期第2四半期決算説明資料より)

インド攻略が世界への道を開く?

英国、インドの順で出店する方針のココイチだが、インドへの進出はビジネス的な観点だけで決めたのだろうか。「インドの方はカレーを日常的に召し上がっているので、需要もあると考えた」。ココイチからの回答はシンプルなものだったが、中国や米国に出店するのとインドに乗り込むのとでは明らかに意味合いが違うと思われる。

日本のカレーチェーンであるココイチが、世界のカレーチェーンになれるか。こう考える時、インド出店の成否は重要な判断材料になる。カレーがインドから世界に広まった経緯を踏まえると、カレーで世界を制するには、まずインドを攻略する必要があると思われるからだ。ココイチが世界的なカレーチェーンを目指すとすれば、「インド人が認めたカレー」という称号は相当なアピールポイントになるはず。インド出店は時期・場所ともに未定だというが、まずは日本のカレーがインド市場に浸透するかどうかに注目したい。