元祖ロボット掃除機ともいうべき「Roomba(ルンバ)」シリーズでも、「史上最高峰」と開発元のiRobot社が豪語する新製品「ルンバ980」。ルンバで初めて「SLAM」というナビゲーションシステムを搭載したのが最大の特徴だ。そのほかにも「過去最大」といえるほど多くの改良がなされている。そんなルンバ980の使用感をチェックしてみよう。

ルンバが地図を作れるように

ルンバ980。様々な機能が加わったが、本体サイズはこれまでとほとんど変わっていない

ルンバ980は新しくカメラを搭載し、「vSLAM(Visual Simultaneous Localizaion and Mapping」という方式を採用したテクノロジー「iAdapt 2.0 ビジュアルローカリゼーション」を搭載している。部屋の形状や家具を認識して内部的な地図を作成すると同時に、自分の位置を把握しながら動けるようになったのだ。

それがルンバの動きにどんな影響を与えているのかは、いまひとつユーザーにはわかりにくい。iRobotによると、部屋の地図を作成しながら動くことで、無駄なく効率的に、従来より早く掃除を完了できる。効率的な掃除の結果、バッテリーも長持ちするため、最大2時間の連続運転が可能だ。また、掃除できる面積は最大112畳(約185平方m)と従来モデルより広くなった。

とはいえ、残念ながら決して広くない筆者宅ではその恩恵にあずかることができない。一般的な日本の住宅事情を鑑みると、112畳の掃除が必要な家庭は限られており、オーバースペックともいえる(ルンバが自分で階段を昇り降りできれば話は別だが)。そんなふうに思いながらも実際に使ってみたところ、SLAMを搭載したことによる変化は思っていたよりもいろいろとあった。次ページでは、実際の動きを見てみよう。

本体天面にカメラを装備。カメラを持っていながらも出っ張りはなく、斜め上方を見上げるような位置に付いている