メジャーアップデートの変更点 スタートメニュー編
まずは見て分かる部分ということでUI面から確認する。スタートメニューのタイルグリッドは標準で3カラム(小サイズなら6カラム)だったが、「設定」の「パーソナル設定\スタート」に加わった<タイル数を増やす>のスイッチをオンに切り替えることで、4カラム(小サイズは8カラム)に増えた。
これはビルド10547で加わった新機能だが、当時MicrosoftのGabriel Aul氏は「スタートメニューの表示領域拡大を求めるフィードバックを多数受け取った」と変更理由を説明している。また、内部的には表示(ピン留め)可能なタイル数も512個から2,048個へ増加させた。
デスクトップ環境では、そこまでアプリケーションをピン留めすることはないため、一見するとメリットを感じない。だが、タブレットモードに切り替えた際はWindows 8.xのようにスタートメニュー(画面)をスクロールさせるため、タブレット上でWindows 10を使っているユーザーは便利になるだろう。
タイルに対するコンテキストメニューにも改善が加わっている。フォントサイズの変更が最初に目に付くものの、チェックすべきはサブメニューを用意した点だ。トップエントリーは<スタート画面からピン留めを外す>のみだが、タイルサイズに関する項目<サイズ変更>へ、ライブタイルのオン/オフなどは<その他>へ移動させている。
ちなみに<共有>を選択すると「ストア」が起動するが、執筆時点では0x000000005エラーが発生し、具体的な動作を確認できなかった。察するところストア上で他のユーザーとリコメンド的な情報共有を行う仕組みを導入するのではないだろうか。
スタートメニュー内のジャンプリストも若干の変更が確認できる。<エクスプローラー>のジャンプリストにピン留めされた項目は同じながらも、こちらもサブカテゴリーが加わった。配色として灰色と黒色が混じっているため、小さな違和感を覚えるが、このあたりはコンテキストメニュー自体の見直しが影響していると思われる。
Windows開発陣は、ビルド10532からコンテキストメニューの整合性を見直して、項目の行間を広く取り始めた。Aul氏は変更理由として「Windowsフィードバックでリクエストが多かった」と語っているが、多くの描画スペースを必要とするため、低い解像度のPC環境ではデスクトップ全体が狭くなった印象を持つかもしれない。
Windows 10にインストールしたアプリケーションを一覧表示する「すべてのアプリ」も極めて僅かながら改善が加わっている。ビルド10240はインデックスとして「漢字」を設けて、「天気」や「電卓」といったアプリケーションをひとまとめにしてたが、アップデート後は各アプリケーションの振り仮名が正しく設定された。その結果「天気」や「電卓」は「て」に分類され、分かりやすくなっている。
もっとも「すべてのアプリ」は使い勝手がよいとは言い難く、日本マイクロソフトのエバンジェリストも「検索ボックスを使うべきだ」と各種イベントでアピールしていた。筆者も普段から検索ボックスもしくは以前から使用しているランチャーで各アプリケーションを起動しているが、「すべてのアプリ」が持つ視認性の低さは今後の改善課題となるだろう。