また、ゼネラルセッションでは、DellがIoTとビッグデータにも注力する姿勢を見せている。

マイケル・デル氏はIoTについて、「調査会社のデータによれば、まだ、85%のデバイスはつながっていないが、これからつながるようになる。そうなれば、大量のデバイスがインターネットに接続されるようになる。センサーは安価になっており、IoTのデバイスが1000倍になれば、データもアプリ×1000という数になり、2020年には、そのデータ量は44ゼタバイトにもなると予測されている。これが、次の1兆ドルの成長が見込める分野になる。このチャンスをものにするためには、マシンが生成するデータを理解しなければならない。ビジネスの競争に勝てるかどうかは、これらのデータの解析にかかっている。Dellはこれまでも情報を活用するお手伝いをしてきたが、新たに専門チームを作った。ハード、ソフト、サービスのすべてにかかわるグループだ」と、IoTの新たな組織を作ったことを発表した。

さらに、「世界中のCEOは成功のためのデジタルトランスフォーメーションに乗り出そうと考えている。この変革は消費者志向のもので、スマートデバイスによる接続データをリアルタイムで分析し、より深みあるのデータを導き出すことをスピードをもってやる必要がある。そのためには効率のいいインフラが必要で、その要素を我々はもっている。そして、これからも継続的に投資して、イノベーションを起こしていく」と述べている。

そして、同氏は、新たな製品として「Edge Gateway 5000」シリーズを紹介した。

「DELL Edge Gateway 5000」

Edge Gateway 5000は産業用センサーのプロトコルを変換し、PCでもデータ管理を行えるようにするものだ。

マイケル・デル氏はこの製品を「エージェントレスであらゆるセンサーデバイスを接続できる。これを利用してアナリティクスにつなげることができる。イノベーションをリードする上で、このゲートウェイは非常に重要になる」と語った。

IoT分野におけるEMC買収のメリットについて同氏は、「スマートセンサーなどがインターネットにつながっており、EMCを通してPivotalプラットフォームにアクセスすることができる」と述べている。

もう一方のビッグデータについては同氏は、「ビッグデータはビッグサクセスが本当の意味だ。ビッグデータの利用目的はいろいろあるだろうが、我々はパートナーの技術を用いてサポートしていきたい。Dellとしては、古くなったUNIXをx86サーバあるいはコンバージドインフラへの移行するお手伝いをしていきたい」と語った。

また、Dellはビッグデータ関連のソリューションとして、データ分析ソリューション「Statistica」の最新リリースとなる「Statistica 13」もイベント中に発表している。

「Statistica 13」は、コーディングが不要で、オープンソース「R」とシームレスに統合可能なソリューション。 オープンソース「R」との緊密な統合により「R」スクリプトの共有と管理が容易になり、ユーザーがデータベース内で直接分析し、大規模データセットを効率的に利用できる新機能「Native Distributed Analytics(NDA)」を追加している。

「Statistica 13」では、SQL Serverデータベース対応のNDA機能を搭載し、その後に他のデータベースに順次対応していく予定だという。

そして、Dellが目指す未来については、米Dell シニアバイスプレジデント CMO Karen Quintos氏が「我々の信念はテクノロジをもっと手の届きやすいところにもっていくことだ。Future Readyというのはエンタープライズだけでなく、世界全体が未来に備えなければならない。我々は未来を変えるお手伝いをしている。いつも、テクノロジを使って世界を変えることができるのか、雇用が生み出せるのかを問いかけている」と説明した。