通信モバイル関連のイベント「ワイヤレスジャパン2015」が27日、東京ビッグサイトにて開幕した。インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)のブースでは、ケーブルテレビ事業者と連携した取り組みを紹介している。また、IIJグループのプロバイダー「hi-ho(ハイホー)」のコーナーではhi-hoスマホの第3弾「ZenFone 2」とのセットコースを紹介している。本稿で詳細をお伝えしよう。

東京ビッグサイトにて、ワイヤレスジャパン2015が開幕。hi-hoのブースではZenFone 2の展示が行われていた

IIJ×ケーブルテレビで契約者拡大

IIJでは全国のCATVと連携し、契約者数の拡大を図る

IIJでは、全国のケーブルテレビ事業者(以下、CATV)と連携し、契約者数の拡大を図る。この取り組みでは、CATV各社が通信事業者になり代わりモバイル回線の契約受付、請求、サポートなどを行うという。IIJは回線を卸す側にまわる。説明員によると「CATVの営業マンが直接、利用者にサービスを説明する。住所録の移行サポートなども行う。とっつき辛かった格安スマホが、すぐに使えるようになる」とのこと。IIJと連携するCATVの数は、現時点で80社あまり。IIJ、CATV双方にとって、どのようなメリットが考えられるのだろうか。説明員は「MVNOサービスの弱みのひとつがサポート。IIJではCATVと提携することで、その弱みを補うことができる。一方でCATV各社にとっては、テレビ、インターネット、モバイルの3本柱で事業を展開することで、利用者の解約阻止につなげられる。新しいビジネスを始めるチャンスにもなる」と説明した。

IIJのブースには「ZenFone 2」(ZE551ML)を始めとする、話題のSIMフリー端末の数々が展示されていた

料金プランはCATV各社が独自に用意。提供するスマートフォンには、CATVが任意でオリジナルアプリをプリインする。ブースでは、いち早くサービスを開始した会社のひとつ「愛媛CATV」が提供する、スマホアプリのUIを確認することができた。ホーム画面には地元で展開する伊予銀行、愛媛新聞などのショートカットアイコンを配置。短縮ダイヤルが3件まで登録できるなど、シニア層に使いやすいようにカスタマイズされたUIとなっていた。

愛媛CATVの提供するスマホアプリの例

hi-hoのブースにはZenFone 2が登場

格安SIMサービスを展開するhi-hoのブースでは、IIJのSIMカードとモバイル端末をセットにした「hi-hoLTE typeD」プランの紹介を行っていた。同社では、5.5インチのスマートフォンZenFone 2とセットの「ミニマムスタート with ZenFone 2」を月額2,250円(税抜、以下同)から、8インチのタブレット端末「Yoga Tablet 2」とセットの「ミニマムスタート with Yoga Tablet 2」を月額2,580円から提供する。

hi-hoなら、ZenFone 2とIIJのSIMカードをセットで利用できる。ミニマムスタート with ZenFone 2の受付開始は6月1日から

説明員によれば、格安SIMサービスの認知が市場に広がりつつあることで、hi-hoへの問い合わせも日を追うごとに増しているという。5月より開始された「SIMロック解除の義務化」については「現時点では、まだ大きな影響はない」としながらも、今後の好影響に期待を寄せていた。

展示されていたZenFone 2

IIJではスマートフォンとのセットプランを提供していない。したがってIIJの利用者は、SIMフリー端末を独自に調達する必要がある。hi-hoの強みは、スマホとのセットプランを提供している点にある。IIJとhi-hoの棲み分けについて、説明員は「hi-hoは、IIJのSIMサービスでZenFone 2を使いたいというお客さんに最適。今後もセットプランを数多く用意することで、IIJとは違った形でサービスの提案をしていきたい」と説明した。

ZenFone 2はデュアルSIM対応モデル。背面には、4G LTEおよび2Gに対応したSIMカードが挿さるスロットが搭載されている

最近は、法人からの問い合わせも増えているという。「コスト削減のため、格安SIMサービスを利用したいという事業主さんが増えている。しかし、SIMフリー端末を調達するとイニシャルコスト(初期投資費用)がかさむ。3万円のスマホでも、10台購入すれば30万円になる。hi-hoのプランでは、スマホを分割払いで購入できる。このため導入時のハードルが低い。そうした理由から、hi-hoを選んでいただけている」と説明員。同社では、個人のクレジットカードでは契約し辛いという法人経営者のために、請求書による支払いにも対応している。このあたりの柔軟性も、法人に支持されている理由と言えそうだ。また同じZenFone 2を取り扱う競合他社との差別化について、説明員は「安心して使えるIIJのSIMサービスの品質の良さが、差別化の要素になる」と話していた。

こちらは8インチタブレット「Yoga Tablet2」の外観。背面にSIMカードスロットを備えている