iTunes Storeのサービスにも2つの違いが

iTunes Storeでのサービスは、レコード会社や映画会社との交渉が国ごとに必要となる。そのため、これまでも米国で実現できているサービスや販売されているコンテンツが、日本では利用・購入できない、という事態が多々発生してきた。

そうした背景から、iTunes Storeのサービスにも米国でしか利用できないサービスが2つある。ひとつは、テレビ番組の販売だ。米国のiTunes Storeでは、2008年からドラマなどが、1本あたり1.99ドルから2.99ドルで販売される他、複数回を束ねた割安な「コレクション」も販売されている。また現在放映中のドラマについては「シーズンパス」を39.99ドルなどで購入でき、最新話や過去回などをいつでも見ることができる。

日本でも、番組のシーズンごとの購読というのは、ビジネスとして成立しやすいのではないだろうか。版権、肖像権の問題にかからない範囲から、あるいは世界に対して発信しやすいアニメなどの分野から、iTunes Storeでテレビ番組の配信が始まることに期待したい。

米国向けiTunes Storeで販売されているテレビ番組。コレクションとして複数話をまとめて販売する形態や、そのシーズンのエピソードをいつでも見られるシーズンパスも用意する

iTunes関連で、日本では利用できないもう1つのサービスは、「iTunes Radio」だ。Appleが提供するデジタルラジオサービスで、好きなアーティストからステーションを作ったり、最新アルバムをラジオで先行配信するといったように使われている。ちなみに、筆者がよく聞いているのは、アメリカン・エキスプレスがスポンサードしている未発売のアルバムの専用ステーション「First Play」だ。

ちなみに、通常iTunes Radioではコマーシャルが流れるが、「iTunes Match」のオプションをつけているユーザーは広告なしで楽しむことができる。iTunes Matchは2011年に米国でスタートし、2014年に日本でも始まった音楽のクラウドバックアップ&マッチングサービスだ。日本でも、iTunes Radioのスタートに期待したい。

iTunes Radioも日本で利用できないサービスだ