9月最後の週末、出張と絡めて京都へ写真を撮りに行ってきた。お気に入りのマイクロフォーサーズのデジタルカメラを持たず、iPhone 6 Plusのみで撮影しようと試みたのだ。過去の筆者からすると、スマートフォンだけで旅行に出かけるなんて無謀も良いところ、絶対に途中で、あのレンズでこの風景を撮りたい、ともどかしさを感じそうなものだったが、今回のiPhone 6 Plusのみの旅行では、むしろ満足感を味わうことができた。ここでは、iPhone 6 Plusのカメラについて、実際の撮影を通じて気づいた点を述べていきたい。

iPhone 6 Plusのカメラのスペックをおさらい

今回の京都旅行は、カメラ機材としてはiPhone 6 Plusのみを用いて、三脚で使わず、ほぼ片手での手持ちのスナップで撮影した。これまでにない大きさの端末にはじめは持ち方に難儀したが、人差し指と小指ではさみ、中指と薬指で背面を支え、親指でシャッター、というスタイルに落ち着いた。

iPhone 6 Plusを使った撮影はこのスタイルに落ち着いた

iPhone 6 Plusのカメラ機能について触れていく前に、いまいちど、カメラのスペックついておさらいしておこう。

iPhone 6とiPhone 6 Plusは、後者に光学手ぶれ補正が搭載されていること以外は、同じ性能を持つ。像面位相差AFを実現する「FocusPixels」を搭載した800万画素の新センサー、F2.2のレンズ、そして第2世代となる64ビットプロセッサ「A8」とモーションコプロセッサ「M8」を活用した画像処理が施される。

静止画でもビデオでも、常にピントがスムーズに合い続けるコンテニュアスAFを実現し、またビデオ撮影時にはフルHD動画で60fps、スローモーションで240fpsとこれまでの倍のフレームレート(秒間のコマ数)を実現している。

また、フルHD動画撮影中の静止画撮影も、これまでの1920×1080ピクセルから2720×1532ピクセルに拡大している。これに加え、iOS 8の機能として、AE/AFロック時に露出のみを調節できる機能や、タイムラプス(コマ撮り)ビデオの撮影もできるようになった。

HDビデオ撮影中から静止画撮影でシャッターを切った。差し込む日差しに照らされた葉と陰が織りなす濃淡の緑に癒される。画像サイズは2720×1532ピクセルに

画素数をとれば、スペックは決して高いものではない。他社製のスマートフォンでは、1,000万画素から2,000万画素クラスのカメラを搭載し、4Kの映像撮影までこなすようになっている。しかし、Appleは、高画素化ではスマートフォンが抱える写真撮影の問題点を解決できないと考えているようだ。

そんなiPhone 6/6 Plusだが、クオリティはどうなのか。実際の撮影を通じて気づいた点を、作例とともにご紹介していこう。なお、今回の撮影には三脚などは使わず、基本的に片手での撮影を行っている。