NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの国内主要3キャリアから10月24日、一斉に米Appleのタブレット端末「iPad Air 2」「iPad mini 3」が発売される。各社それぞれ料金プランや各種キャンペーンを発表しているが、どのキャリアがお買い得なのだろうか?

そこで本稿では、各社が提供する「iPad Air 2」「iPad mini 3」の端末価格、実質負担額、下取りキャンペーン、割引キャンペーンをまとめた。スマホとの2台持ちでいくらになるのか、そのあたりもチェックしている。iPad Air 2、iPad mini 3の購入を検討している人は、ぜひチェックして欲しい。

iPad Air 2とiPad mini 3。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3社から発売された

端末価格を比較

まずは3社の一括購入時における端末価格をチェックしておこう。

「iPad Air 2 Wi-Fi+Cellularモデル」の価格は次の通りとなる。NTTドコモは16GB版が74,520円、64GB版が85,968円、128GB版が98,712円。KDDI(au)は16GB版が73,200円、64GB版が85,080円、128GB版が96,960円。ソフトバンクモバイルは16GB版が73,200円、64GB版が85,080円、128GB版が96,960円。

■iPad mini 3 Wi-Fi+Cellularモデルの価格(一括)
16GB版 64GB版 128GB版
NTTドコモ 74,520円 85,968円 98,712円
KDDI(au) 73,200円 85,080円 96,960円
ソフトバンクモバイル 73,200円 85,080円 96,960円

iPad mini 3 Wi-Fi+Cellularモデルの価格は次の通り。NTTドコモは16GB版が62,856円、64GB版が75,600円、128GB版が87,480円。KDDI(au)は16GB版が61,320円、64GB版が73,200円、128GB版が85,080円。ソフトバンクモバイルは16GB版が61,320円、64GB版が73,200円、128GB版が85,080円。

■iPad mini 3 Wi-Fi+Cellularモデルの価格(一括)
16GB版 64GB版 128GB版
NTTドコモ 62,856円 75,600円 87,480円
KDDI(au) 61,320円 73,200円 85,080円
ソフトバンクモバイル 61,320円 73,200円 85,080円

一括購入時の端末価格を考察すると次の通りとなる。iPad Air 2、iPad mini 3ともにau版とソフトバンク版は同じ価格。iPad Air 2ではドコモ版が888円~1,752円ほど高く、iPad mini 3ではドコモ版が1,536円~2,400円ほど高い。

ちなみにソフトバンクモバイルは3キャリアで唯一、3G/LTEに対応しない「Wi-Fiモデル」も取り扱う。参考までに、その一括購入価格も紹介しておこう。

ソフトバンクモバイル版iPad Air 2/iPad mini 3 Wi-Fiモデルの価格
16GB版 64GB版 128GB版
iPad Air 2 Wi-Fiモデル 58,104円 69,984円 81,864円
iPad mini 3 Wi-Fiモデル 46,224円 58,104円 69,984円

実質負担額を比較

続いて、一括価格からの割引分を差し引いた「実質負担額」をチェックしていこう。3社とも、毎月の利用料金を割り引くサービスとして、NTTドコモは「月々サポート」、KDDI(au)は「毎月割」、ソフトバンクモバイルは「月月割」をiPad向けに提供している。これらの割引サービスを利用するのには、「新料金プランで契約する」「専用のデータ定額プランに加入する」などの条件をクリアすることが必須となる。割引適用後の実質負担額は次の通りだ。

■iPad Air 2 Wi-Fi+Cellularモデルの実質負担額
16GB版 64GB版 128GB版
NTTドコモ 12,960円 23,760円 34,560円
KDDI(au) 12,120円 23,280円 34,320円
ソフトバンクモバイル 12,120円 23,280円 34,320円
■iPad mini 3 Wi-Fi+Cellularモデルの実質負担額
16GB版 64GB版 128GB版
NTTドコモ 0円 14,040円 25,920円
KDDI(au) 0円 12,840円 24,120円
ソフトバンクモバイル 0円 12,840円 24,120円

3社の実質負担額を比較すると、au版とソフトバンク版は同じ。iPad Air 2ではドコモ版が240円~840円高く、iPad mini 3ではドコモ版が1,200円~1,800円高いことがわかる。

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの端末代金と実質負担額のまとめ

下取りプログラムを比較

NTTドコモでは、中古のiPadを下取りする「iPad下取りプログラム」を提供する。モデル、キャリア問わず全てのiPadが対象となる。下取り額が最も高額なのはiPad Air Wi-Fi+Cellularモデル 128GB版で、21,600円で下取りされる。店頭で下取りする場合は購入代金から値引きされるが、端末を郵送によって下取りする場合は、相当額のドコモポイントによって還元される。

KDDI(au)でも同様にiPad下取りプログラムを提供。iPad Air Wi-Fi+Cellularモデル 128GB版が最も高く、22,000円相当のau WALLETポイントにて下取りされる。なおWi-Fi+CellularモデルはKDDI(au)の端末に限られ、他キャリアの端末は受け付けていない。

ソフトバンクモバイルでもiPad利用者を対象に、それまでに利用していた機種を下取りに出すことで特典が受けられる「タブレット下取り割」キャンペーンを提供する。特典は通信料金を24回に分けて割り引くか、同額相当のTポイントを付与させるかの2択から選べる。割引額およびTポイントの付与が最大となるのはiPad Air Wi-Fi+Cellularモデル(容量を問わず)で、割引額は22,800円、Tポイントの付与も22,800円相当分となっている。なおWi-Fi+Cellularモデルはソフトバンクモバイルでの購入機種に限られている。

下取りプログラムを比較すると、割引額が最大になるのはソフトバンクモバイルでiPad Airが22,800円、iPad mini Retinaが16,800円、iPad(第4世代)、iPad miniが11,040円。ストレージ容量に関わらず一律で下取るのも大きな特長となっている。既述の通り、利用料金から割り引くかTポイントに還元させるかを任意で選べる点も良心的と言えるだろう。一方、KDDI(au)の場合はau WALLETポイントへの還元しか選べない。このあたり、使い勝手が良いとは言いがたい。

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイル3社の下取り額を比較

2台持ちするといくらになる?

スマートフォンを親回線、iPadを子回線として2台持ちをする場合、利用料金はいくらになるだろうか。NTTドコモの場合、子回線は基本料金(1,700円)+シェアオプション(500円)+ネット接続料(300円)=2,500円/月となり、これにiPadの機種代金が加算される計算となる。

KDDI(au)の場合、子回線の基本使用料(データ定額プラン)は5,700円かかるが、4G LTEスマートフォンとセットであれば「スマホセット割」(-2,850円)の割引が適用可能。ネット接続料(300円)を加味すれば、3,150円/月+iPadの機種代金で運用できる計算となる。

スマートフォンとiPadの2台持ちをする場合、NTTドコモでは2,500円/月+機種代金から、KDDI(au)では3,150円/月+機種代金から利用できる

ソフトバンクモバイルでは「iPadセット割」を提供。iPadを新規・機種変更で購入した場合、利用料が最大で1年間無料となる。これにより、例えば親回線をiPhone 6/iPhone 6 Plusで「データ定額パック・大容量(10)」で申し込んだ場合、子回線のiPadを初年度は0円+機種代金で利用できる計算となる。

ソフトバンクモバイルでは、2台目のiPadが初年度無料になるiPadセット割を提供している

NTTドコモでは現状2台持ちの料金プランがなく、最大13カ月間、毎月の通信量を1GB増量する「iPadボーナスパケットキャンペーン」を提供する。ソフトバンクモバイルでも「iPadデータ増量キャンペーン」を提供。最大13カ月間、毎月の通信量が1GB増量される。

NTTドコモ、ソフトバンクモバイルでは最大13カ月間、毎月の通信量を1GB増量するキャンペーンを提供する

スマートフォンとiPadの間でパケットをシェアする際は、親回線のデータ通信量の上限に充分気を付けたい。例えば5GBのデータ定額パックで契約している場合、スマートフォンで3GB使ってしまうとiPadでは2GBしか使えない計算になる。スマートフォン、iPadの両方で思う存分に通信したいのであれば、親回線のデータ定額パックは10GBほどあることが望ましい。

そこで最後に、親回線を10GBのデータ定額パックで契約している場合、2年間の運用コストがどの程度かかるか計算してみた。NTTドコモの場合、親回線(2,700円+300円+8,000円)+子回線2,500円=13,500円だから、24カ月で324,000円かかる。KDDI(au)の場合、親回線(11,000円)+子回線3,150円=14,150円だから、24カ月で339,600円かかる。ソフトバンクの場合、初年度は親回線(11,000円)+子回線(0円)=11,000円、2年目は親回線(11,000円)+子回線(2,500円)=13,500円だから、24カ月で294,000円かかる。2年間の総額で考えると、ソフトバンク版が最も安く使用できることになる。

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本稿ではNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3社から発売される「iPad Air 2」と「iPad mini 3」の端末価格、実質負担額、下取りキャンペーン、割引キャンペーン、スマホとの2台持ち時の運用コストなどをチェックした。端末価格、実質負担額ではドコモ版が高く、au版とソフトバンク版が同額。下取りキャンペーンの比較では、割引額が最大になるのはソフトバンクで、利用料金の割引かポイント付与かを選べる点でもユーザビリティが高かった。また、iPhoneとの2台持ちでもソフトバンクが優れていた。iPhone、iPadの取り扱い期間が一番長いソフトバンクが、提供するサービスの質においても、一日の長があると言えそうだ。ますます激化が予想される3社のシェア争い。今後も、各社の動向を見守りたい。

(執筆:大石はるか)