NVIDIA Tegra K1による高いパフォーマンス

「SHIELDタブレット」の特長としてまず挙げられるのが、プロセッサに「NVIDIA Tegra K1」を搭載することにより得られるパフォーマンスの高さだろう。

GPUにKeplerを統合することで、従来のTegraシリーズから処理能力が大きく向上。競合製品と比べても高いパフォーマンスを実現するという

NVIDIA Tegra K1については、マイナビニュースで何回かお伝えしているが、簡単におさらいしておくと、CPUにARM Cortex-A15ベースのコア、GPUにKeplerアーキテクチャベースのGPUコアを統合したモバイルデバイス向けSoCだ。

Keplerアーキテクチャは、デスクトップ向けGPUでも採用されており、NVIDIA Tegra K1でもOpenGL ES 3.1やOpen Gl4.4、DirectX 12、Tessellation、CUDA 6.0といったPCと同様のAPIをサポートほか、「UNREAL ENGINE 4」のようなゲームエンジンも対応する。

PC向けのAPIやゲームエンジンをサポートすることで、PCからタブレットへゲームの移植がこれまでよりも容易に行えるという

現時点でNVIDIA Tegra K1に最適化されたゲームは14種類、また、SHIELDタブレットに最適化されたゲームは400種類を超える。この中には「Half-Life 2」や「Portal」といったPCやコンシューマゲーム機でも高い人気を獲得したゲームも含まれている。今後、NVIDIA Tegra K1やSHIELDタブレットに最適化されたゲームが予定されているという。

ベンチマークで性能を確認

パフォーマンスを確認ということで、「3DMark」「AnTuTu Benchmark」「GFX Benchmark」という3種類のベンチマークソフトでテストを実行してみた。Androidタブレットは、製品によって仕様がさまざまなので、単純な比較はできないのだが、前世代のNVIDIA Tegra 4を搭載したタブレットのスコアを見ると、3Dグラフィックス関連で大きく性能が向上しているといえる。

■ 3DMark Ice Storm Unlimited
Overall 30669
Graphics score 35791
Physics score 20435
■ GFXBench 3.0
Manhattan 1837
Manhattan Offscreen 1923
T-Rex 3092
T-rex Offscreen 3645
ALU 1799
ALU Offscreen 1631
Alpha Blending 4046
Alpha Blending Offscreen 4726
Diver Overhead 1439
Diver OverheadBlending Offscreen 29595
Fill 4368
Fill OverheadBlending Offscreen 5702
■ AnTuTu Benchmark 5.1
Overall 52726
UX Multitask 7156
Dalvik 2940
RAM Operation 2575
Speed 3583
CPU(Multi-thread) integer 4155
float-point 4503
CPU(Single-thread) integer 2092
float-point 2327
GPU 2D graphics 1649
3D graphics 19454
IO Storage I/O 1637
Database I/O 655

SHIELDタブレットにプリインストールされている2Dアクションゲーム「TRINE2」は、グラフィックスの表現が豊かなゲームだが、こういったゲームでも処理落ちすることなく、快適に遊ぶことができた。

プリインされている「TRINE2」。謎解き要素も含んだアクションゲーム

バッテリ駆動時間は「高解像度の動画視聴で約10時間」という説明だったが、ディスプレイの明るさを最大にした状態でYouTubeの1080p動画を連続再生したところ、7時間13分という結果だった。輝度を調節すればバッテリ駆動時間は延びることから、おおよそ妥当な結果といえるのではないか。

また、GeForce GTXシリーズを搭載したデスクトップPCで起動したゲームの画面をSHIELDタブレット側で転送できる「GameStream」に対応する。ネットワークの環境にもよるが、ゲームプレイに支障があるような遅延は感じられなかった。格闘ゲームやアクションゲーム、レースゲームも楽しめそうだ。

SHIELDタブレットをワイヤレスでネットワークに接続すると720pでの表示となるが、8型ディスプレイならば大きな問題を感じない。MicroUSBに対応したLANアダプタで有線接続すると、1080pの表示が可能となる。MiniHDMIで外部ディスプレイに出力している場合は、こちらを利用するといいだろう。