シームレスな動画配信機能に感じる可能性

NVIDIAのGeForceシリーズでは、GPUに実装されたハードウェアエンコーダによって、プレイ中のゲーム画面や動画をキャプチャして、動画配信サービスにアップロードしたり、ゲーム実況動画の配信サービス「Twitch」にライブストリーミングが可能な「ShadowPlay」が利用できるのだが、SHIELDタブレットでも「ShadowPlay」による動画配信が可能となっている。

面白いのは、SHIELDタブレットのShadowPlayはゲーム以外でも利用が可能なところだ。タブレットの画面をキャプチャしているだけなので、Android上で動くアプリケーションであれば基本的には何でも記録が可能なのだ。

ゲームプレイ時のキャプチャ画面。高性能な前面カメラを生かして、画面右下にプレイヤーの顔をワイプで表示できる。ゲーム実況では重宝しそうな機能だ。ワイプの透過度などは設定で調整できる

なので、もちろんゲームプレイ中にShadowPlayで録画を行えば、ゲーム動画が記録できるし、例えばカメラアプリを利用中にShadowPlayを使えば、カメラで写している風景をライブ配信するといったことも手軽に行うことが可能だ。

ゲームアプリ以外にもカメラアプリなど、Android上で動くものは基本的にだいたいキャプチャできる

使いようによってはかなり強力な配信ツールなのだが、現状ライブ配信は「Twitch」のみの対応となっている。日本国内では「ニコニコ生放送」に対応してほしいと思うユーザーも多いだろう。NVIDIAもこうした声は認識しているようで、そもそものShadowPlayの実装時から要望を上げているという。

Tegra Note 7ゆずりの「DirectStylus」も健在

SHIELDタブレットには、入力インタフェースとしてスタイラス「DirectStylus」も利用することができる。DirectStylusはTegra Note 7でも大きくアピールされていたが、静電容量式のパッシブスタイラスでもGPUの処理能力を使うことで、高い精度や筆圧の検知、指とスタイラスの区別、手のひら検知といったペンタブレットで採用される電磁誘導式アクティブスタイラスのような機能を実現したものである。

DirectStylus

スタイラスは本体に収納できる

本体からスタイラスを抜くとランチャーが自動で起動する。ランチャーには自分でアプリを登録することもできる

Tegra Note 7のときも書き味は良好という評価だったが、SHIELDタブレットもそれは健在だ。ただ、手書きメモアプリ「Write」では、細かい字を書こうとすると(筆者の悪筆もあるのだが)、線が揺れる傾向にある。太いペン先にするとそれほど気にならなくなるし、メモをとって自分で見返す程度なら問題ない。

付属のメモアプリ「Writer」でメモしてみた

SHIELDタブレットには、NVIDIA Tegra K1の処理能力を生かしたお絵かきアプリ「Dabbler」がプリインストールされている。ペンで絵や図形を描くだけでなく、「水彩」や「油彩」といったモードを備える。

ペン書きのモードでは、フリーハンドで書いた図形を補正してくれる機能を備える

水彩モードでは絵の具が紙にしみこむ様子などリアルに表現する

重力を反映することも可能で、絵の具が下の方にたれていくのがわかる。筆に含ませる水分量も調整できるので、水が垂れる度合いや染みこみ方も工夫できる

「水彩」モードでは紙に絵の具がしみこむ様子や、筆に含む水の量を増やすと、絵の具が重力に引かれて垂れてくる様子などがリアルタイムで反映される。

油彩モードでは、絵の具が重なり合ったところが盛り上がって立体的になっているのがわかる。筆のほかにカッターツールで絵の具を削るといった表現も可能だ