実際、こうしたパーツ群の一部は実際の製品の発売後、主要な製造工場がある中国の深センでは市場に大量に出回っている。では、なぜリスクを冒してまで流出するのかといえば、「事前に正確な製品情報を入手して得する人たち」にそれらを渡すことで金銭的メリットを享受できるからだ。部品点数によるが、おそらく流出元となる作業員や関係者たちの現地の数カ月分の収入を報酬額に、こうした横流しを仲介人に依頼していると思われる。

事前に正確な情報を得てメリットがあるのは、例えば"噂"系Blogや各メディアなど、事前にリーク情報を紹介してページビューを稼いだり、話題で名を上げたいと考えるグループで、場合によっては支払った報酬以上のリターンがあるだろう。

正式な発表なくiPhone 6のモックがAmazonで販売

もう1つはiPhoneの直接製造に関わるサプライチェーンの外側にあるサードパーティらで、例えば周辺機器やケースを製造する会社らが、事前にサイズ検証を行う場合だ。実際に正確なサイズを得られると得られないとで製造におけるリードタイムが数週間程度異なってくるため、この差がビジネス的に大きな差分となって返ってくる。いずれにせよ、"事前"に入手できることが重要だ。