真贋の見分け方

だが、情報の出たタイミングを考慮すれば真贋は比較的見分けやすくなる。一番わかりやすいのが「意図的なリーク」で、比較的本発表に近いタイミングでの出現で、かつ前出のような法則性があるので読みやすい。初報を出すのが大手メディア(WSJ、NYT、Bloomberg、Reuters、AP、あるいはRe/codeのような著名筆者の多数いる媒体)というのも判断しやすい。

サプライチェーン筋の情報については時期で判断する。新製品のプロトタイピングは、その1つ前の世代の製品が市場投入されたタイミングですでに開始されていると思われるが、この時点ではあくまでプロトタイピングであり、最終デザインに採用されない可能性が高い。つまり9月~2月くらいに出てくるデザイン面に関する情報は、あまり当てにならないと考えていい。

一方で、このタイミングで検討されている技術やデザインの一部が本製品に採用されることもある。今回、すでに4.7インチと5.5インチの2種類のiPhoneが存在することが規定路線となっているが、この初報は1月に出たものだ。また現在、目下の話題となっているサファイアクリスタルのディスプレイへの採用の最初の話は、やはり2月に報じられている

一方でガセともいえるネタも多数出てくるため、「情報は信頼できるメディアやソースが報じたものか」「少し考えて理にかなっているか」という部分で判断してみるといいだろう。

3月~6月の時期には、サプライチェーンを中心に主に「どの部品が採用され、どのベンダーが製造を担当するのか」という話が出てくる。株価操作や印象操作を狙ったガセが多く含まれるため、このあたりの真偽も昨年までの情報や他の報道と見比べて、判断していくといいだろう。

5月以降は各パーツの大量生産がスタートし、6月以降になると実際の組み立てプロセスが走り出すため、流出情報の信頼性がより高まってくる。これまで報じたように、この時期になると流出したパーツやモックアップを写真で紹介するメディアが多数登場するため、偽情報に注意しつつも、それぞれを見比べて実際の完成品を夢想してみるのもいいかもしれない。