提携パートナー経由のリークに注目

ここまで、主にサプライチェーン筋のリーク情報に関する話題を扱ってきたが、これでハードウェアに関するおおまかな内容を確認することができるはずだ。流出ルートはサプライチェーン以外にもいくつかあり、その1つが「提携パートナー」だ。

1社であれば漏れにくい可能性が高いが、「複数社との同時交渉」となると話は別だ。典型的なものが「音楽や映画コンテンツの権利交渉」で、ライセンス料や諸条件を詰める段階で権利者同士の差し合いがあり、結果としてリーク情報が一部のメディアに流れることがある。つまり、提携パートナー経由のリークは、Appleのサービスやソフトウェアに関する情報を知るための手がかりとなる。

新型iPhoneに搭載されると噂のNFCをどう読み解くか

最後に、具体例として、新型iPhoneに搭載されると噂のNFCをどう読み解くかについて考えてみたい。

最近盛り上がっているものの1つに、Appleが新型iPhoneで決済サービス参入を計画しているというものがある。新型iPhoneではセキュアエレメント(SE)と呼ばれる専用のセキュリティチップを搭載し、ここに決済関連の個人情報をセキュアに保存して端末を用いた決済を行うというものだ。

ソースとなっているThe Informationでは決済方式にNFCを使うとは明言しておらず、あくまでMasterCardやVisaといったベンダーとの提携でiPhoneをモバイルウォレットとして活用とするエコシステムを構築していきたいと考えているということだ。決済分野参入に際して交渉の存在はWall Street Journalが1月にも報じているが、このほかにも複数のアナリストがその可能性を指摘している。