"噂"には意図したものも

Apple関連で流れる"噂"には、3つの種類があると考えている。1つは前述のような「サプライチェーン」の中から漏れてくるもので、おそらく情報量としては最近のトレンドとして一番多い。噂を報じた記事で「(サプライチェーンの)関係者によれば」という表記があった場合、このルートだと思っていいだろう。また、アナリスト名義で流れてくる情報も何割かはこの「サプライチェーン」経由だと考えられる。

2つめは「意図的なリーク」で、以前にも触れたことがあるが、Appleに近い関係者が報道での拡散を狙って意図的に"特定のメディア"に情報を流布するパターンだ。意図的なリークは節目に出てくるパターンが多く、例えば「iPhone発表会の1カ月くらい前に事前リークがある」というのはこれに準ずると考えている。

Appleの新iPhone発表会は9月9日に行われると8月初旬に報道。画像は過去のイベントへの招待状

最もやっかいなのが3つめの「憶測」や「意図的な情報操作」で、真贋の判別がつきにくい。ただ後者の「意図的な情報操作」にはいくつかのパターンがあり、主に「株価操作」「業界ライバルへの牽制」が目的だと考えられる。

特徴としては「具体的な関係ベンダー名が列挙されている」場合で、韓国紙が韓国メーカーに有利な情報を報じたり、あるいは台湾紙が台湾ベンダーに有利な情報を報じたりと、情報の裏がとれていないような書き方が散見される。