2014年スマートフォンに期待すること - 山田井ユウキ編

スマートフォンに期待すること

個人的には、完全に怖いもの見たさではあるが、今以上に別の業界を脅かす存在になってほしいと思っている。たとえば音楽業界、カメラ業界、ゲーム業界などだ。

これらはすでにスマートフォンの影響を大きく受けており、業界が激変しているジャンルだ。たとえばカメラ業界では、写真を撮るならスマートフォンで十分だというユーザーが増えたことで、低価格帯のコンパクトデジカメの売り上げが大幅にダウンしている。

その結果、デジカメは高機能・高価格帯にシフトする流れが起きており、スマートフォンでは絶対にできない機能をつけることで価値を持たせている。たとえば高倍率の光学ズームやセンサーサイズの拡大による高画質化といった具合である。

スマートフォンの突き上げを食らったカメラ業界がそういう方向へ行くのは必然だが、しかしスマートフォンの性能向上のスピードはすさまじく、「スマートフォンに絶対にできない機能」だとメーカーが思っていたことが、今後「できてしまう」可能性は十分にある。

事実、筆者は先日の仕事で先方から記事用に写真を送っていただいたのだが、それがiPhone 5sで撮影したものだった。しかし、あまりにも画質が良かったため、たまたま写真データを確認するまでは、デジカメで撮ったものだとばかり思っていたのだ。

iPhone 5sのカメラ性能の高さはわかっていたつもりだったが、いざ目にしてみるとその進化のスピードに驚くほかない。iPhoneだけではなく、ソニーのXperiaシリーズもデジカメに負けない高画質と多彩な機能を備えており、ノキアの「Lumia 1020」はなんと4100万画素ものスペックを実現している。低価格帯デジカメを飲み込みつつあるスマートフォンだが、2014年はさらに進化してカメラ業界そのものを脅かしてほしい。それが逆にカメラ業界の進化にもつながると期待しているからだ。

また、ゲーム業界では各社からiPhoneに装着して物理コントローラー化できるガジェットが相次いで発売されており、やはりiPhoneには絶対にできなかったはずの「物理コントローラー」が変則的な形とはいえ実現してしまった。筆者はiPhoneでもコンソール機でもゲームで遊んでいるが、これまでは「そうはいってもiPhoneのタッチパネルではやっぱり複雑な操作はできないよな」と思っていた。しかし、もしこのコントローラーの性能がさらに上がり、レスポンスなどがゲーム専用機のそれと遜色なくなったら……ゲーマーにとって恐ろしくもあり、面白くもある時代が目の前に迫っている気がしてならない。

さらなる性能向上を突き詰めて各業界を本格的に脅かす一方で、"スマートフォン"以外のウェアラブルデバイスがいよいよ本格的に出揃う――2014年はそんな年になることを期待したい。

(記事提供: AndroWire編集部)