2014年、スマートフォンにどんなことを期待したらいいのだろう。端末の進化?ウェアラブルデバイスとの連携? それとも別のところに? ライターの山田井ユウキ氏に「2014年スマートフォンに期待すること」を綴ってもらった。
2013年の総括
2013年のスマートフォン業界をざっくり振り返ってみると、もっともホットなニュースはやはりドコモからiPhoneが出たということだろうと思う。一年に一度発売されるiPhoneだが、今回に限ってはスペックの向上よりも「ついにドコモからiPhoneが!」という部分の方が大きく報道されていた。
逆にいえば、それはiPhoneの外観やスペックがあまりユーザーに驚きをもたらさなくなってきたということでもある。一応iOS 7になってデザインががらりと変わりはしたが、使い勝手そのものはそこまで変化したわけではないし、新鮮な気分を一時味わった後はこれまで通りのiPhoneとして日常生活に溶け込んでいる。
それはAndroidスマートフォンにおいても同じだ。今年も様々な機種が登場し、GALAXY S4やXperia Aのようなハイスペックモデルが市場を賑わせたものの、全体で見れば「バッテリーのもちが増えました」や「画面が大きくなりました」といった小粒なバージョンアップに留まっている。
iPhone 3Gが出た頃は"ついに未来がやってきた感"があり、iPhoneが生活をどう変えるのか、アプリで何ができるのかなど、未知のワクワクがあった。それから数年たった今、そうしたワクワクはほぼ感じなくなっている。
これは別に悪いことではない。驚きがないということは、本当の意味で生活と融合したということだからだ。もはやスマートフォンがない生活は考えられないし、スマートフォンがなかった頃、どうやって生活していたのかも思い出せなくなりつつある。スマートフォンは完璧に、人間の生活の一部になったのだ。
「MEDIAS W」が示すこと
となると、来年のスマートフォンに期待したいことはただひとつ。
「スマートフォンからの脱却」である。矛盾しているようだが、来年からのスマートフォンにはスマートフォンとは違うフィールドを目指してほしいと思う。なぜなら、スマートフォンがスマートフォンである限り、これ以上生活を劇的に変えることは不可能だからだ。
たとえば、記憶に新しいのはNTTドコモから2013年春モデルとして登場したNECカシオモバイルの「MEDIAS W」だ。