ゲッティ イメージズのイベント マネージャー・エリッサ クック氏

ゲッティ イメージズ傘下のストックフォトサイト「iStock」は、東京のアーツ千代田3331にて、世界デビューを目指す日本のフォトグラファー100人を集めた実践型写真研修イベント「iStockalypse」を開催した。11月18日はエデュケーション・デイとして、日本のフォトグラファーが理解しておくべき最新のビジュアルトレンドや著作権などの法律知識、ストックフォトサイトの活用術をレクチャーする講義が行われた。

ここではその中から、同社のイベント マネージャーであるエリッサ クック氏による、ストック写真についての説明や、イメージをライセンスする方法などを解説したセッションの様子をレポートする。

そもそも「ストックフォト」とは?

まずクック氏は、世界で自身の写真を売り出したい100名のフォトグラファーたちに対し、「ストックフォト」とはどんなものなのかを説明した。

iStockでは現在、1,700万点以上ものさまざまな分野の写真やイラスト、動画、オーディオが販売されている。コントリビューター(販売者)として参加するには、公式サイトの「参加」から「コントリビュータ・ラウンジ」にアクセスすると、詳しい手順を参照できる

雑誌やカタログ、パンフレット、ポスター、テレビなどで見る写真の多くは、そのプロモーションのために撮られた写真ではなく、ライセンスを購入して使用する「ストックフォト」が使われていると述べた。ストックフォトの利点として、同氏は写真家やモデルを逐一雇う経費が省けることを例に挙げた。さらに、近年はオンラインコンテンツやスマ―トフォンの普及などにより、宣伝広告のみならず、ブログやニュースレター等にまでストックフォトの用途は多様化しており、必要性がより高まっているとも語っていたた。

続いて、同社が運営しているストックフォトサイトである「iStock」および「ゲッティ イメージズ」について、「さまざまな写真やイラスト、動画、オーディオをオンライン上にとりそろえ、手頃な価格でダウンロード提供したり、写真家の作品を管理したりして、写真の販売をサポートしています」とその役割を紹介した。

また、iStockとゲッティ イメージズの違いについて、「ゲッティ イメージズでは、Flickr上に優れた写真をアップロードしている写真家に対して販売オファーを出して作品を募っていますが、iStockはオファーを必要としておらず、プロ・アマを問わずすべての写真家が、iStockのコントリビューター(販売者)として自分が撮った写真を販売でき、写真家のロイヤリティの管理はiStockが行っています」と説明。iStockには現在13万5,000人のコントリビューターと9,100人以上の専属の写真家が登録されており、毎週170万ドル以上のロイヤリティが支払われていること、iStock上には現在1,700万以上のファイルがあり、毎月50万以上のファイルが追加され、1秒ごとにファイルがダウンロードされていることなども併せて説明された。