形態としては飛行機タイプか飛行船タイプの2種類

その飛行ロボットは形態として、基本的には飛行機タイプ(画像5)もしくは飛行船タイプ(画像6)の2種類に分類される。前者は49チーム、後者は6チームが採用した。ただし、中にはどちらに分類すべきか悩むハイブリッド型もあるし(機動力的に飛行機タイプだったことから、飛行機タイプに分類された)や、飛行機型の中でも固定翼ではなく羽ばたき型や、円筒の内側で揚力を発生させる翼とボディを一体化させた一見すると翼のない無翼機型など、ユニークな機体もあった。

画像5(左):飛行機タイプ(Fantasista SSP:東海大学 工学部航空宇宙学科 航空宇宙学専攻)。飛行機とはいっても、デザインはさまざま。 画像6(右):飛行船タイプ(杉風(さんぷう)1号:東北職業能力開発大学校秋田校 生産技術科)。推進にはプロペラ、ダクテッドファンなどを利用

操縦機能的には、前述したように手動操縦と自動制御の2種類があり、両部門の機体の大きな違いは機体の空虚重量(メインミッション用に荷物を搭載するので機体本体の重量のこと)がまず1つ。手動部門は200gまでで、自動制御部門は自動制御装置を積む分が考慮された250gまでとなっている。そして、当然ながら自動制御部門には、機体を自動制御するための仕組みが載せられているというわけだ。

一方、サイズに関しては特に定められておらず、飛行船タイプの全長のみが1.7m以下となっている。参加した全機体のサイズを確認できたわけではないが、会場に貼り出されていたプレゼンテーション用ポスターに記載されていた機体だけでカウントすると、全長が長いものだと飛行機型で1.2m強、飛行船型は1.7m弱。全幅は飛行機型が1.7m強、飛行船型は1.1m強という具合だった(画像7・8)。

画像7(左):選手が持っているところを見ると、おおよその大きさがわかる。この飛行機タイプはポアソン(東京農工大学)で、全長1000mm、全幅1200mm。 画像8(右):飛行船タイプは限界いっぱいまで大きい機体も。ナポレオンV(電気通信大学)

操作性の良さや安定性、ミッションの成功させやすさなどから低速で飛行させることが望ましく、グライダーのような滑空性能を求められるのが飛行ロボコンの飛行ロボットたちである。そのため、翼面積を広めに取る感じで、全長よりも全幅の方がある感じだ。中には全翼機やカイト(西洋型の凧)型などもあった。

重量に関しても確認できた範囲内となるが、最も軽かったものはなんと130g。しかも、この機体は自動制御というから驚いてしまう。また、自動制御型でも200gを切る機体も結構多い。手動操縦型の重量は、確認できた範囲内で160g弱ぐらいから200g弱までという感じだった。