各特別賞の受賞チームと受賞理由

また、そのほか特別賞は以下の通り。

  • ベストデザイン賞(ボーイング賞):イーグル7(金沢工大 夢考房 小型無人飛行機プロジェクト)

  • 受賞理由:カナードの特徴を活用した機体を設計し、安定した飛行を実現させた点が評価された(画像23・動画2)。
  • ベストデザイン賞(エアバス賞):Ibis(日本大学大学院 理工学研究科 航空宇宙工学専攻)

  • 受賞理由:フルスペックの自動制御装置を搭載し、かつ軽量化と強度の両面を考えた機体設計を行った点が評価された(動画11)。

動画11。この機体は撮影しそびれたため、YouTubeに掲載されている初飛行の様子を紹介する

  • ベストクラフト賞(三菱重工賞):ポアソン(農工大 工学部機械システム工学科)

  • 受賞理由:スロッテッドフラップを搭載し、かつ胴体と尾翼結合部などで高い工作技術と製作能力を示した点が評価された(画像7・11、動画10)。
  • ベストクラフト賞(川崎重工賞):T-sparrow(鳥取大大学院 工学研究科 機械宇宙工学専攻 機械工学コース)

  • 受賞理由:予選と決勝ともに、水平旋回飛行と水平8の字飛行を自動制御により実現した機体であり、飛行中に確実に自動制御飛行できる機体を製作した点が評価された(動画12)。
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動画12。鳥取大のT-sparrowの決勝における飛行の様子
  • ユニークデザイン賞(東レ賞):フェニックス(鳥取大学 工学部機械工学科)

  • 受賞理由:筒形状の翼・胴体一体型機体を設計し、その特異な形態にもかかわらず飛行をある程度まで実現させた点が評価された(動画13)。

動画13。鳥取大のフェニックス。こちらもテスト飛行の様子を紹介

  • ユニークデザイン賞(RED BULL賞):Scoparia(スコーパリア:農工大 工学部機械システム工学科)

  • 受賞理由:飛行機と飛行船を組み合わせたハイブリッド型の機体を開発し、両者の特徴を活用した飛行を行った点が評価された(動画14)。

動画14。農工大のScoparia。こちらもテスト飛行の様子を紹介

  • ベストパイロット賞(ヒロボー賞):CRANE(クレイン:久留米工業高等専門学校材料工学科)

  • 受賞理由:安定性の乏しい機体ではあるが、飛行試験を通じてある程度までは安定して飛行させる操縦を行った点が評価された(画像17)。
  • ベストパイロット賞(ヤマハ賞):Golden Eagle-II(秋田高専)

  • 受賞理由:安定性の高い機体を、無駄な動きをせずに的確に飛行させる操縦を行った点が評価された(画像13)。
  • ベストプレゼンテーショント賞(IHI賞):Azure Air(アジュアエアー:早稲田大学 基幹理工学部 機械学科・航空学科)

  • 受賞理由:機体の空力特性を初めとする技術的側面をポスター上でわかりやすく説明した点が評価された(画像27・動画15)。

画像27。早大のAzure Airのプレゼンテーション用のポスター

動画15。早大のAzure Airのテスト飛行の様子

  • ベストプレゼンテーショント賞(JAL賞):Maybe2(金沢工大 工学部 航空システム工学科 岡本研究室)

  • 受賞理由:ポスターセッションにおけるプレゼンテーションならびに質疑応答において、機体の設計構想や特徴を、的確にわかりやすく説明した点が評価された(画像28・動画16)。

画像28。金沢工大のMaybe2のポスター(めくれてしまっていた)

動画16。金沢工大のMaybe2がテスト飛行する様子

  • 会場賞(住友精密賞):ONE(ワン:早大 基幹理工学部 機械学科・航空学科 佐藤研究室)(動画17)
  • 会場賞(玉川精機賞):エルニエッタ(農工大 工学部機械システム工学科)(動画18)
  • 会場賞(加賀産業賞):non FLY(ヒコウセン:帝京大学大学院 理工学研究科 博士前期課程)(動画19)

  • 受賞理由:会場賞はポスターセッション時に会場にいた人全員の投票により上位3機体が決定された。

動画17。早大のONEがテスト飛行する様子

動画18。農工大のエルニエッタがテスト飛行する様子

動画19。帝京大のnon FLYのテスト飛行の様子

  • CATIA賞(ダッソーシステムズ賞):ナポレオンV(電気通信大学 情報理工学部 知能機械工学科)

  • 受賞理由:3次元CADソフト「CATIA」の機能を正しく理解し、適切に使用しているか、設計意図、データ構成が第3者にも伝わるように工夫されているか、データの整合性が保てているかがダッソーシステムズにより審査された(画像8)。

以上、第9回全国学生室内飛行ロボットコンテスト、いかがだっただろうか。今回から自動制御部門が設けられ、よりコンテスト名にふさわしい飛行ロボットらしさがアップした形である。さすがに、メインミッションも追加ミッションもすべて全自動で行うというのは、250g以内というスペックで実現させるにはセンサの性能などからいってなかなか大変だろうが、今回の水平旋回や水平8の字飛行の自動制御だけでなく、今後もいろいろと自動化に取り組んでほしいものである。着陸の自動化は難しいだろうけど、離陸の自動化とかはできそうな気がするのだが、いかがなものだろうか。

来年は記念の第10回大会ということで、沖縄での開催を計画中だという。次回も機会があれば取材をしてみたいと思う。ぜひ楽しみにしていていただきたい。

そして最後は、飛行ロボコン恒例の、大会終了後の大空中戦大会。大会が終わって壊れてもOKという状態で、多数のチームが飛ばしまくる。場合によっては空中で衝突して墜落し、それで本当に壊れてしまうこともあるのだが、何カ月も機体製作で苦労してきたストレスを発散させるかの如く、えらい勢いで各機とも飛び回る(動画20)。これだけでも結構面白かったりするので、第10回大会が開催される際には、沖縄の方はぜひ会場に足を運んで、その様子をじかに見ていただきたい。

動画
動画20。大空中戦。その年によって2チームに分かれて対決したりとかいろいろと最後は楽しんでいる模様