いよいよ9月20日に発売される米Appleの新型スマートフォン「iPhone 5s」「iPhone 5c」。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は先日、iPhone 5s/5cの機種代金と料金プランの発表を行ったが、各種キャンペーンや旧機種下取りなどもあり、自分がどのキャリアのiPhone 5s/5cを購入するのがお得なのかを見極めるのは難しい。そこで本稿では、もしも1年後に次世代iPhoneが発売された場合に、すぐに機種変更することを想定して、iPhone 5s/5cのキャリア選びについて考えていきたい。

iPhone 5s

iPhone 5c

まず、iPhone 5s/5cの料金プランについては、各社ほぼ横並びとなっており、違いがあるのはドコモの基本使用料が780円であるのに対し、KDDIとソフトバンクの基本使用料が980円となっている点だ。ただし、KDDIとソフトバンクのプランでは1時から21時までのキャリア内通話が無料となっているが、ドコモのプランでは通話相手のキャリアに関係なく通話料が一律21円/30秒となる。

表1 iPhone 5s/5cの料金プラン ※拡大画像はこちら

続いて、各社から販売されるiPhone 5s/5cのうち、16GBモデルの機種代金を比較してみよう。iPhone 5s 16GBとiPhone 5c 16GBの実質負担額は、各社とも0円となる。機種代金を分割払いする場合、毎月の利用料金に機種代金が上乗せさせることになるが、各社ともに「月々サポート」(ドコモ)、「毎月割」(KDDI)、「月月割」(ソフトバンク)といった24カ月にわたって機種代金の分割支払額を割引くサービスを実施している。iPhone 5s/5cの16GBモデルでは、機種代金の分割支払額と同額の割引が適用されるため、「実質0円」での購入が可能となっている。

各社のiPhone 5s/5c 16GBモデルの機種代金(新規契約またはMNP) ※拡大画像はこちら

しかし、ここで注意したいのは、「実質0円」となるのは購入した機種をあくまで2年間使い続けた場合のみという点だ。仮に、途中で機種変更をすると、機種代金のうち支払いが済んでいない部分の清算が必要となるが、この支払いには割引は適用されない。そのため、割引後の実質負担額にばかり注目しがちだが、元の機種代金もしっかり確認しておきたいところだ。

各社のiPhone 5s/5cの機種代金を見ると、ドコモが飛び抜けて高いことがわかる。とりわけ、iPhone 5s 16GBモデルでは、KDDIとソフトバンクの機種代金が68,040円なのに対し、ドコモの機種代金は95,760円と約3万円も高く設定されている。そのため、たとえば購入後1年で機種変更などによって解約した場合、47,880円もの清算が必要となる。「実質0円」があくまで2年間の利用を前提としたものであり、機種代金をよく確認する必要があるということがおわかりいただけると思う。

iPhoneの新モデルはほぼ1年おきに発売されており、「iPhone 5」の発売日は2012年9月21日、今回のiPhone 5s/5cの発売日が2013年9月20日であることから、次世代iPhoneも約1年後に発売されると考えるのが妥当だろう。次世代iPhoneが出たらすぐに機種変更するつもりという人であれば、1年後に解約することを前提にiPhone 5s/5cのキャリアを選ぶべきだ。その場合、機種代金が高めに設定されているドコモは避けたほうがよさそうだ。