NTTドコモが7月26日に開いた第1四半期(2013年度4-6月)決算発表では、同社の2013年夏モデルの「ツートップ」の売れ行きが好調であることが伝えられた。ドコモが夏モデルから導入した販売施策が、とくにおすすめの機種を特別価格で提供するというツートップ戦略であり、夏モデルでは「GALAXY S4」「Xperia A」の2機種が選ばれた。

両機種の販売好調は、電気通信事業者協会(TCA)がとりまとめた2013年7月の携帯電話契約数からも読み取ることができる。ドコモの7月の純増数は17万2,500件で、先月のマイナス(5,900減)からプラスに転じている。ドコモでは、7月より「ドコモの夏 家族セット割」を提供しており、これらの割引施策とツートップの存在が今回の純増に貢献していると思われる。

とくに売れ行きが好調だったのは、ソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia A SO-04E」で、5月の発売以後、累計販売台数110万台を突破。これは、ドコモ史上最速ペースで売れているという。また、サムスン電子製の「GALAXY S4 SC-04E」も、同じく5月の発売以後、累計販売台数55万台を記録している。ちなみに、両機種の販売状況の内訳を見てみると、Xperia Aはフィーチャーフォンからの機種変更が約62%と過半数だったのに対し、GALAXY S4はスマートフォンからの機種変更が約50%となっており、初めてでも使いやすい機種とハイスペックな機種というように、ツートップで棲み分けができているのがわかる。

ドコモのツートップ「GALAXY S4」「Xperia A」の売れ行きが好調

GALAXY S4とXperia Aのツートップは今なお人気機種となっており、2013年7月のBCNランキングの携帯電話部門では、Xperia Aが1位、GALAXY S4が2位で、iPhone 5などの他機種を上回る売れ行きとなっている。また、ドコモが提供するLTE通信サービス「Xi」の契約数が7月30日に1,500万人を突破し、大台に到達したことも、ツートップの好調が大きく貢献したと言えるだろう。

それでは、ドコモのツートップが今なお売れ続けている人気の秘訣をキャンペーンなどの価格面から見てみたい。まず、ドコモのユーザーが機種変更する場合、10年以上ドコモを利用していると「ありがとう10年スマホ割」、現在iモードケータイを利用していると「はじめてスマホ割」が適用可能となる。どちらの割引も、毎月一定額を24カ月にわたって利用料金から割り引く「月々サポート」が増額されるものとなっていて、併用も可能だ。 たとえば、Xperia Aは「ありがとう10年スマホ割」が最大10,080円、「はじめてスマホ割」が最大10,080円の割引となっていて、併用すれば最大2万円以上の割引。また、GALAXY S4は「ありがとう10年スマホ割」が最大10,080円、さらに「はじめてスマホ割」が7月19日から最大15,120円に増額されており、併用すると最大2万5千円以上の割引。両方の割引を適用した場合、ドコモオンラインショップでは、Xperia Aは実質負担金5,040円、GALAXY S4は実質負担金10,080円となり、機種変更でも端末が購入しやすくなっている。「ありがとう10年スマホ割」「はじめてスマホ割」の期間は9月1日まで。

また、ファミリー割引を契約している場合は、前述の「ドコモの夏 家族セット割」という割引が9月1日まで実施している。ファミリー割引グループ内の2回線以上で、スマートフォンやタブレットの対象機種を同時購入した場合に、1台あたり最大5,250円を割り引くというもので、2台なら最大10,500円、5台なら最大26,250円と、家族が多いほど合計割引額が増していく。同日、同店舗で購入することが「ドコモの夏 家族セット割」の適用条件となるため、夏休みの帰省シーズンで家族が集まった際に、皆でおトクに機種変更するのにも最適だ。

他社からMNPでドコモに乗り換えるユーザーにも、割引などのメリットが用意されている。9月1日まで実施されている「お乗りかえXiスマホ割」の適用により、スマートフォンの基本使用料(780円)が最大13カ月にわたって0円となる。またMNPの場合、月々サポートが機種変更や新規契約よりも増額されるため、端末が購入しやすい。たとえば、ドコモオンラインショップでは、Xperia A、GALAXY S4をMNPで購入する場合の実質負担金はどちらも0円となっている。さらに、携帯電話ショップなどの店頭では、MNPを対象としたキャッシュバックを実施していることも多く、2万円程度のキャッシュバックを受けられる可能性が大きい。

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本稿で紹介した通り、GALAXY S4とXperia Aの売れ行きが好調だ。これまでの販売台数は、Xperia Aが110万台、GALAXY S4が55万台と、ツートップ合計で160万台以上の売り上げを記録している。ツートップが好調なのは、Androidスマートフォンで人気の「Xperia」「GALAXY」シリーズの端末であり、品質が信頼されていることも理由のひとつだが、一番の要因は価格面のメリットだろう。機種変更の場合、また他社からMNPする場合、それぞれで割引キャンペーンが用意されており、端末を購入しやすくなっている。夏休みに地元に帰って家族の携帯を見直す方もいるかもしれない。買い替え・乗り換えを検討している人などは、この機会に店頭などでツートップをチェックしてみてはいかがだろうか。