消費電力測定(グラフ101~104)
最後はこちら。こちらでは、
- 3DMark 11のPerformance ProfileでGraphics Test 1~4を実施
- TMPGEnc Video Mastering Works 5でMedia Encode S/W、Media Encode H/W、x264でそれぞれエンコード
の2つを行なってみた。前半がGPU、後半がQuick Sync Videoの消費電力というわけだ。
一連のテスト全体の実効消費電力の変化を示したのがグラフ101である。この状態でシステムの待機時の電力は、
Ivy Bridge | 94.9W |
---|---|
Haswell | 63.6W |
となっている。Radeon HD 7970を使うと、カード自体の消費電力以外にPCI Expressバスを利用することによるCPUの消費電力も増えるから、こんなものであろう。やはりP8Z77V-PROのオンボードデバイスが結構余分に電力を食っている感じだ。
ということで、この分を差し引いた実効電力差を見てみることにする。まずグラフ102が3DMarkのGraphics Test 1~4を行なった際の消費電力差、グラフ103がTMPGEnc Video Mastering Works 5を行なった際の消費電力差である。これを集計したのがグラフ104である。
まず3DMarkは若干消費電力は増えているが、その分フレームレートも増しているからこれは仕方ないところだろう。実際のデータから計算すると、
Ivy Bridge | Haswell | |
---|---|---|
Test 1(fps) | 3.9 | 5.3 |
Test 2(fps) | 3.9 | 5.7 |
Test 3(fps) | 4.3 | 7.7 |
Test 4(fps) | 1.6 | 3.7 |
平均(fps) | 3.4 | 5.6 |
実効消費電力(W) | 24.9 | 28.2 |
効率(W/fps) | 7.3 | 5.0 |
となり、HaswellはIvy Bridgeより50%ほど効率よく3DMark11を実施できていると判断できる。
Quick Sync Videoも同様に消費電力改善がなされており、わずかとはいえ消費電力が下がり、性能も僅かに上がっているからトータルすると10%ほど性能/消費電力比の改善が実現していた。あと意外だったのが、x264を使うと性能が改善しながら消費電力が下がっていたこと。このあたりも、Haswellで効率よくプログラムを動かすためには何らかの最適化が必要ということを物語っている。
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