セキュリティ面の強化

続いて、日本ヒューレット・パッカード プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括クライアントソリューション本部 本部長の九嶋俊一氏が登壇し、新製品の特長について説明した。今回発表されたモデルは「HP ElitePad 900」の「Windows 8モデル」(91,350円)および「Windows 8 Proモデル」(111,300円)。ともに10.1型WXGA(1,280×800ドット)ディスプレイ、Intel Atom Z2760(1.8GHz)を搭載する。それぞれにドコモ版、au版が用意されている。そのほかのスペックなど概要は、別記事『日本HP、Windows 8搭載タブレット「ElitePad 900」にLTE対応モデル

登壇し商品とサービスの説明を行う九嶋氏(写真左)

九嶋氏は「厚さ9.2mmの薄いボディにLTE通信モジュールを組み込むということは、容易なことではなかった」と明かした。ドコモ版では800MHz、1.5GHz、2GHz(LTE)と800MHz、2GHz(WCDMA)に対応し、au版では800MHz、1.5GHz(LTE)と800MHz、2GHz(CDMA/EVDO)に対応する。なお、ドコモ版とau版に互換性はなく(ドコモ版の本体にauのSIMカードを挿しても動作しない。その逆も同様)、現状ではMVNO(仮想移動体通信事業者)への対応も検討中とのこと。

HP ElitePad 900 LTE対応モデルとして、Windows 8モデルおよびWindows 8 Proモデルがリリースされる

「現在、モバイル端末をビジネスに導入している多くの企業では、情報の漏洩を防止するために『PCの持ち出しを禁止』し、ウイルスに汚染されたファイルをイントラネットに蔓延させないために『私物の持ち込みを禁止』している」と九嶋氏は指摘する。その上で、「セキュリティを担保するためにリモートデスクトップを導入している企業もある。そうした環境には常時インターネット接続が可能な端末が必須であり、HP ElitePad 900 LTE対応モデルが大きな価値を持つ」とアピールした。

タブレット導入に合わせて必要となるセキュリティ対策

加えて、日本HPではセキュリティ対策を強化した新しい「Computraceサービス」を5月30日より提供開始する。これまでの「Find My PC」サービス(4年間無料)のほか、「Computraceデータプロテクションサービス」(4年間サービス12,495円)と「Computrace Oneサービス」(4年間サービス16,590円)がラインナップに加わった。

Find My PCサービスでは位置情報トラッキングができ、紛失・盗難の事故に際しては遠隔地からデバイスロックやデータの消去を行うことが可能。Computraceデータプロテクションサービスでは、Find My PCの機能に加えて「IT資産管理」を行える。最上位のComputrace Oneサービスは、Computraceデータプロテクションサービスに「回収サービス」を加えたものとなる。回収サービスとは、文字通りデバイスを発見し持ち帰ってくるサービスとなる。

日本HPでは新たなComputraceサービスを5月30日より提供開始する

NFC機能による拡張性

HP ElitePad 900に搭載されているセキュアエレメント付きNFCチップについては今回、ジャパンシステムの「ARCALAVIS」、およびソリトンシステムズの「SmartOn」における動作検証が完了した。これにより、ICカード認証におけるログイン制限、USBメモリやネットワーク接続の利用制限などが可能となった。例えば、IDやパスワードを入力せずとも、社員証などに組み込まれた非接触ICカードをHP ElitePad 900にかざせば、スムーズなログインが可能になる。

非接触ICカードによるログオン認証のほか、多彩な格調ソリューションを提供

会場では、5月27日より発売のキーボードジャケットも披露された(写真のクリックで拡大)

最後に九嶋氏は「エンタープライズ・モビリティにおけるタブレット活用の確固たる基盤ができあがった。これによって、あらゆるソリューションの準備が整ったとご理解いただければ」と結んだ。

また、「HP ElitePad 900 for DOCOMO」「HP ElitePad 900 for au」とソリューションを活用した、新しいワークスタイルのムービーも上映。ダイジェスト写真で紹介しよう

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