デルの「Latitude 10」は、10.1型液晶(1,366×768ドット)を採用するWindows 8搭載のタブレットPC。重さわずか658g、厚みも10.5mと薄型軽量で、最小構成なら5万円を切る価格も魅力といえる。そのLatitude 10に筆圧検知に対応した「ワコム アクティブスタイラス」とインナーケースをセットにしたクリエイター向けパッケージが登場した。

Latitude 10とワコム Bamboo Stylus feel

デルがクリエイター向けパッケージを用意した最大の理由は、Latitude 10が「Wacom feel IT Technologies」に対応していることにある。ワコムが開発したこの技術は、タブレットで筆圧検知を可能にするもの。Latitude 10のオプションでもある「ワコム アクティブスタイラス」やワコムの「Bamboo Stylus feel」といった対応スタイラスペンと対応アプリケーションを用意すれば、小型軽量なLatitude 10をイラストや漫画制作用のモバイル機材として活用できる、というワケだ。

■主な仕様 [製品名] Latitude 10 クリエイター向けスタンダード [CPU] Intel Atom Z2760 (1.80GHz) [メモリ] DDR2-800 2GB [ストレージ] 64GB SSD [グラフィックス] Intel Graphics Media Accelerator(CPU内蔵) [ディスプレイ] タッチ対応10.1型ワイド(1,366×768ドット、IPS) [OS] Windows 8 32bit [本体サイズ/重量] W274×D176.6×H10.5 mm/約658g [付属品] ワコム アクティブスタイラス、インナーケース [直販価格] 56,980円(構成例)
※ワコム アクティブスタイラスと今回のレビューで使用した「Bamboo Stylus feel」は異なる

プロ漫画家、FBC先生登場

FBCさん/『まんがタイムきららMAX』で4コマ漫画『スイーツどんぶり』を連載中。クリエイティブRPG『蒼空のフロンティア』のメインイラストなどでも活躍。Webページはこちら。(C)FBC/芳文社

そこで今回、『まんがタイムきららMAX』(芳文社)で格闘バトル料理4コマ「スイーツどんぶり」を好評連載中の漫画家、FBCさんにLatitude 10とBamboo Stylus feelの組み合わせで実際に試してもらうことに。はたして、イラストや漫画のプロクリエイターが使えるレベルなのだろうか?

普段はワコムの液晶ペンタブレット「Cintiq 22HD」とセルシスの漫画制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT EX」を愛用しているというFBCさん。同ソフトは「Wacom feel IT Technologies」の1,024段階筆圧に対応しているので、今回のテストには最適。Latitude 10はOSがWindows 8なので、PCと同じソフト環境を調えられるのが強みだ。

まず、描く感覚としては「以前、ワコムのDTI-520という液晶ペンタブレットを使っていましたが表面がガラスだったので、描くときにカンカンカンと硬い感じが気になっていました。今のCintiq 22HDは紙に近い、ペンの先が沈むような感覚に感動しました。そういった意味で描き味が一番気になっていましたが、Latitude 10はCintiq 22HDと同じぐらい描きやすいですね」(FBCさん)と高評価。

さっそく描き心地を試すFBCさん(本体下のスタンドはライター私物)

静電式タッチパネルなので、画面に手が触れると意図せずメニューが開くこともあるが、今回はティッシュペーパーを手の下に引くことで対処した。「外出先ではハンカチなどを利用するといいかもしれませんね」(FBCさん)とのこと。指先があいた手袋を使うという手もある。

動画
さっそく描き心地を試すFBCさん(動画)

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