Stream(グラフ82~85)
TrinityのRMMA編の最後で、Streamの結果を示したので、これの追試の意味もかねて最後に結果をまとめてみた。
大雑把に言えば、微妙に差はあるとは言え「おおむね同等」ということになる。実際、4MB~8MBあたりはちょっとバラけるので、ここを外して8MB~32MBの範囲で平均値を取ってみると、
Copy | Scale | Add | Triad | |
---|---|---|---|---|
FX-8150 | 2.14Bytes/cycle | 2.03Bytes/cycle | 2.28Bytes/cycle | 2.29Bytes/cycle |
FX-8350 | 2.08Bytes/cycle | 2.04Bytes/cycle | 2.30Bytes/cycle | 2.30Bytes/cycle |
で、この4つの平均をとってもFX-8150が2.19Bytes/cycle、FX-8350が2.18Bytes/cycleで、これは誤差の範囲である。強いて言えばCopyのFX-8350の結果がFX-8150をやや下回っているのが目立つが、他のテストでは概ね同等だから、あまり重大視する必要もないかと思う。
SandraにおけるStreamの結果はこちらで、こちらはFX-8350を4GHzで動かした場合でもFX-8150と殆ど性能が変わらないわけで、このあたりはMemory Accessの速度がそのまま律度段階になっていることが見て取れる。先程、Memory Controllerが多少高速になったと思うという話をMinimal RAM Latencyのところで説明したが、あれはLatencyの話であってThroughputそのものは殆ど変わっておらず、Streamのスコアに影響するのはThroughputだから、ここが変わらないのはある意味正しいと考えてよいだろう。
またTrinityの方の最後に「Piledriver世代(というか、Trinity世代)ではBulldozer世代よりもRead/Writeが混在した場合の性能改善がなされている可能性がある」としたが、残念ながらこれはTrinityのMemory Controller側の特性の問題で、FX-8350というかVisheraに関してはこのあたり、FX-8150というかZambeziと全く同じ振る舞いをする、という結論になりそうだ。
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