日本電機工業会のまとめによると、2011年度に出荷されたIHジャー炊飯器426万台のうち、およそ26%が5万円以上の価格帯のいわゆる"高級炊飯器"だ。この傾向は年々強まっており、近年の"内食ブーム"と相まって、家庭で美味しいご飯を食べたいというニーズに応えられる製品に注目が高まっている。

高価格帯の高級炊飯器を販売しているのは現時点で、パナソニック、日立(日立アプライアンス)、東芝(東芝ホームアプライアンス)、三菱電機の総合電機メーカー4社と、象印マホービン、タイガー魔法瓶の魔法びんメーカーの主に6社だ。これに加え、シャープが8月23日に史上初の洗米機能付きIH炊飯器を「ヘルシオ」ブランドから発表し、高級炊飯器市場への参入を表明した。

日立アプライアンスのIHジャー炊飯器「RZ-W2000K」(推定市場価格:90,000円前後)

東芝ホームアプライアンスの真空圧力IH保温釜「RC-10VPF」(推定市場価格:100,000円前後)

象印マホービンの圧力IH炊飯ジャー「極め炊き NP-ST10」(推定市場価格:136,500円前後)。何と15分炊飯が可能

現在発売・発表されている高級炊飯器は、大きく分けて2つのタイプがある。IH炊飯器とIH圧力炊飯器の2種類だ。IHというのはIHクッキングヒーターでおなじみのとおり、IHヒーターを使った加熱方法。釜全体にムラなく効果的に熱を伝えるのが特徴で、底部に設置されたヒーターで加熱する、低価格帯で主流のマイコン炊飯器よりも強い火力で炊飯できるのがメリットだ。これに加えて、圧力炊飯器というのは、圧力鍋と同じ原理で、内釜内に圧力をかけることにより、熱がお米の芯まで伝わるのと、圧力により沸点が上がるので高火力となり短時間で炊き上げることができる。