また、昔のDOSアプリケーションも問題なく動作します。筆者の手元に残っていた「Vz Editor」も現在でもダウンロードできる前述のファイラー「FD」もメッセージが英語のものであれば、大きなトラブルもなく使用できました。また、往年のPCゲーム「DOOM」は現在、一面までプレイできるシェアウェア版がここからダウンロードできますが、サウンド付きで動作しました(図65~67)。

図68 筆者の手元に残っていたVz 1.6をFreeDOS上で実行。常駐時のキーアサイン変更が必要になりますが、問題なく動作しています

図69 出射厚氏のFD(FD for IBM-PC)。終了時にファンクション部分が残るといった誤動作も見受けられますが、問題なく動作します

図70 往年のDOSゲームとして有名な「DOOM」。一面までという制限付きですが無償入手できます

このようにFreeDOSは、往年のMS-DOS環境を復元したいと求めているユーザーに最適のクローンOSと言えるでしょう。ちなみにFreeDOSは次のバージョンで、プロテクトモードやUSBサブシステムのサポートや、既存のオープンソースOSを参考にデバイスドライバーの共有を予定しています。また、将来的にはカーネルを拡張して32/64ビットアドレスのサポートも展望に入れているとか。開発進捗は早くありませんが、コマンドライン派には今後も愛用できるOSになるのではないでしょうか。

MS-DOSおよびFreeDOSの紹介は以上です。ナビゲーターは阿久津良和でした。次回もお楽しみに。

阿久津良和(Cactus

参考文献 ・NHKスペシャル「新・電子立国 第5回 ソフトウェア帝国の誕生」(NHK)
・パーソナルコンピュータを創ってきた人々/脇英世(ソフトバンククリエイティブ)
・僕らのパソコン30年史/SE編集部(翔泳社)
Wikipedia
OSNews