ソニー「NEX-5N」は、昨年発売した「NEX-5」の後継となるミラーレスカメラだ。CMOSセンサーを高画素化したほか、液晶のタッチパネル化や撮影機能の強化、外部ファインダーの装着が可能になった。そのレビューをお伝えしよう。

「NEX-5N」ズームレンズキット

外観は、ボディよりもレンズが目立つ独特のスタイルを、従来機NEX-5から踏襲する。前面の上部に傾斜が設けられたり、グリップの表面処理が変更われたりしているが、基本的なフォルムはほぼ同じ。レンズマウントと液晶パネル、グリップのみで構成された無駄のない形状で、各部材がキュッと引き締まったような凝縮感がある。外形寸法は従来と変わらず、手のひらに収まるほど小さい。重量は18g軽量化された。

外装は、前カバーとトップカバーにマグネシウム合金を採用。レンズ側の外装はアルミニウム合金製。全体に高品位な質感があり、モノとしての魅力は高い。ホールド性については、薄型のボディに対してレンズ側が大きいため、バランスはあまりよくない。左手でレンズを下から支えるようにして持つのがいいだろう。

液晶モニタは、従来と同じくチルト可動式の3型ワイド約92万ドットのTTFを搭載する。可動の角度は上に最大に80度、下に最大45度まで。左右に動かないのが惜しいが、上下可動だけでも構図の自由度は格段に広がる。視認性は良好だ。

レンズ部が強調されたユニークなデザイン

フレーミングの自由度を広げるチルト式液晶

従来機からの大きな進化のポイントの1つは、液晶モニタがタッチパネルになったこと。画面上の被写体に触れることで、追尾フォーカスの設定やAFエリアの選択ができる。タッチの反応はまずまずで、AFエリアを直感的に選べるのは便利だ。ただし、電源を入れたまま持ち運ぶ際に不用意に液晶に触れ、いざ撮影しようとすると、思わぬ位置にAFエリアが移動していて戸惑う、といったことは何度かあった。もちろんタッチパネル操作が不要なら、設定メニューからオフにすることは可能だ。

AFではなく、マニュアルフォーカスを選んだ場合は、指タッチした部分の拡大表示ができる。また、画面に表示されたアイコンにタッチして各種の機能を設定したり、メニューの選択や再生時のコマ送りなどもタッチ操作で軽快に行える。

色や明るさ、背景ぼかしなどの項目を直感的に調整できる初級者向けの操作インタフェース「マイフォトスタイル」についても、新たにタッチ操作に対応し「マイフォトスタイル・タッチ」という名称に変更された。従来通りのボタン+ダイヤルでの操作と、指タッチ操作を併用することができる。

電源はリチウムイオン、利用可能なメディアはメモリースティックPRO/PRO-HGデュオ、SD/SDHC/SDXCカード

「マイフォトスタイル・タッチ」の画面