ソニーは24日、都内でレンズ交換式デジタル一眼カメラの新製品発表会を開催した。会場には同社製品のメッセンジャーとしてCMキャラクターを務める北川景子さんと浅野忠信さんも登場、新製品のお披露目に華を添えた。

この日発表されたのはAマウントシステムの「α77」と「α65」、Eマウントシステムのミラーレス一眼「NEX-7」および「NEX-5N」。各製品の詳細については、上記リンク中の製品発表記事を参照していただきたい。

絵を描くキャンバス(センサー)は大きくあるべし、というポリシー

まず、ソニー株式会社 業務執行役員 SVPパーソナル イメージング&サウンド事業本部長 高木一郎氏が登壇。同社デジタルイメージ製品の方向性と新製品のコンセプトについて述べた。

高木氏は、「B to B」領域(業務用)を含むソニーのビデオカメラ、コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼カメラは、ともにそれぞれの用途において高く評価されているとし、特に「NEX」シリーズは、「デジタル一眼レフとコンパクトデジタルカメラとの間に新たな市場を開拓し、一眼カメラ市場の拡大を牽引した」との自負を語った。

ソニー株式会社 業務執行役員 SVPパーソナル イメージング&サウンド事業本部長 高木一郎氏

ソニー製APS-Cセンサーはマイクロフォーサーズ規格のセンサーに比べて1.6倍の大きさがあることをアピール

また、ソニーのカメラ作りの基本的な思想として、「キーとなるデバイスを内製化し、これを進化させることで先進的な製品を送り出す」と説明。今回発表した4製品に関してもAPS-Cサイズと大判の自社製CMOSセンサーを搭載しており、「高感度・低ノイズ、そしてボケ味などの点で大きな効果を出しやすい」とその優位性をアピール。「絵を描くキャンバスは大きくあるべし」というポリシーを持って、同社レンズ交換式デジタルカメラにはすべて大判センサーを搭載していると強調した。

新製品の概要について説明したソニー株式会社 パーソナルイメージング&サウンド事業本部イメージング第1事業部副事業部長 手代木(てしろぎ)英彦氏

ソニーマーケティング株式会社 取締役 執行役員常務 鈴木功二氏

なお、このセンサー性能をフルに引き出す画像処理エンジン「BIONZ(ビオンズ)」も大きく進化。有効約2,430万画素の高速処理と高感度、フルHDプログレッシブ動画の撮影が可能になったという。

さらに、0.5型240万画素(XGA)の新開発有機ELを採用した電子ビューファインダーの世界初投入も、今回の大きな注目要素だろう。従来(α55搭載)の電子ビューファインダーに比べて約10倍の高コントラストおよび高解像度、高速応答性を実現。これもまた同社技術を結集したものであるという。この電子ビューファインダーは、「α77」および「α65」、「NEX-7」に搭載され、さらにスマートアクセサリーターミナル2対応の外付けビューファインダーとしても発売される予定だ。

「α77」および「α65」はボディデザインも一新。頭頂部の内蔵ステレオマイクからサイドにかけてのなだらかな曲線が特徴だ

「NEX-7」は有機EL電子ビューファインダーに加え、フラッシュ、スマートアクセサリーターミナル2を搭載したNEXシリーズ初のオールインワンモデル。「NEX-5N」はNEX-5のボディデザインを継承しつつ、さらなる小型高性能化を実現した

カメラだけでなくEマウント全体の拡充も発表。新たに交換レンズ3本と、トランスルーセントテクノロジーを搭載したAマウントレンズ装着用の新マウントアダプター「LA-EA2」、有機EL電子ビューファインダー「FDA-EV1S」がラインナップされる

Eマウントレンズを利用できるレンズ交換式デジタルビデオカメラレコーダー「NEX-VG20」も発表。1610万画素センサーと4カプセル5.1チャンネルマイクロホンを内蔵、プログレッシブ動画60Pに加え、フィルム映画規格の24P記録にも対応

キーメッセージは「Focus Your Love. α」

ソニーマーケティング株式会社 取締役 執行役員常務 鈴木功二氏による国内マーケティング戦略とプロモーション計画説明、その後に行われた質疑応答に続き、新製品のメッセンジャーとしてCMキャラクターを務める北川景子さんと浅野忠信さんがステージに登場。

発表会に登場した北川景子さんと浅野忠信さん

北川さんは尾道を舞台にしたCMの撮影の合間に、実際にαを使用した印象を次のように語った。「前回のαから引き続き、でも今回のモデルはそれ以上に色鮮やかな写真が撮れると感じました。また、最初に持ったとき、小さくなったな、って思いましたね。とてもコンパクトで軽くて、今まで以上にさりげなく持ち歩けるカメラになったと思います」(北川さん)

そして、実際に北川さんが撮影した作品(猫の写真)がスクリーンに映し出された。背景がきれいにぼけていてとてもステキですね、というMCの言葉に、北川さんは「こうして背景をぼかすことが私でも簡単にできるんです。こうして背景をぼかすと被写体の表情がより際立って見えますし、その瞬間の自分の思いみたいなものを写真に込めることもできる。ステキな機能だと思います」とコメント。

実際に北川さんが撮影した作品も披露された。浅野さん曰く「北川さんの猫好きが窺える可愛い写真だと思います(笑)」

北川さんは「一眼を着こなす」というテーマのもと、多様なシチュエーションを想定したさまざまな“一眼ファッション”にも挑戦。「多くの女性に、ぜひファッション感覚で一眼カメラを楽しんでほしい」と北川さんはコメント

また、新たに搭載されたピクチャーエフェクト「マイフォトスタイル」についても「“レトロ”を選ぶとセピア色になったり、“ポップ”を選ぶと原色が強調されて可愛い写真が撮れたりするんです。今までは撮った写真をパソコンに転送して加工していましたが、今は撮る前にモードを選ぶだけでおしゃれな写真や面白い写真が撮れるので、写真撮影の幅が広がりました」(北川さん)とのこと。

一方、浅野さんはCM撮影で「α77」を使用した印象を次のように述べた。「手に持っただけで、“あぁ、カメラって面白そうだな”と思える製品。実際に撮っていても楽しいですし、気分が高揚してくるんですよね。撮影で海外に行くことが多いので、特にヨーロッパ、ロンドンやブダペストなんかでしっかり構えて撮ってみたいですね」。

浅野さんはNEX-7のファインダーを覗いて「これはいいですねー」と繰り返す

浅野さんが撮影した北川さん。タイトルは「花と妖精」。北川さんは思わず照れ笑い

なお、現在、ソニーのサイト内で浅野さんが「NEX-5N」について語るインタビュー映像が公開されているので、そちらにもぜひアクセスしてみてほしい。

最後に、北川さんは「今回のCMのキャッチフレーズでもある“Focus Your Love.”という言葉どおり、好きなものを一眼画質で撮るともっと好きになれる、もっと大切に思えるようになる、と感じています。若い女性にも、一眼という言葉に臆病にならず、“αで撮る”ことから始まる楽しい生活を体験していただけたらな、と思います」と挨拶。浅野さんは、「報道陣の方々、ソニー以外のカメラを使っている方もたくさんいますけど、今度はみなさんぜひソニーのカメラで僕たちを撮ってください」と、会場の雰囲気を和ませていた。

発表会の最後にはフォトセッションも行われた

北川さんと浅野さん、ソニーの高木一郎氏の3ショット

会場にはタッチ&トライコーナーも併設。ダンサーを被写体にその連写能力や被写体追従性能、有機EL電子ビューファインダーの実力を体感することができた

11月より放映予定の北川景子さんと浅野忠信さんによる「NEX-7」「NEX-5N」TVCMに先駆けて、全国7大都市にて発売前体験会が開催される

大判プリントされた作例。2,430万画素センサーとBIONZが紡ぎ出す豊かな階調と緻密な質感表現に、思わず息を呑む

女性ユーザーを強く意識したアクセサリーも続々投入される