フィンランドNokiaは6月21日、シンガポールで開催中の年次イベント「Nokia Connection」で最新のスマートフォン「Nokia N9」を発表した。OSにMeeGoを搭載した初のスマートフォンで、キーのないボディ、スワイプによるホーム画面、NFC対応などを特徴とする。

Nokia N9

MeeGoはNokiaと米Intelが2010年2月に立ち上げたオープンソースプロジェクトで、Nokiaの「Maemo」、Intelの「Moblin」という2種類のLinuxベースのプラットフォームをマージしたもの。現在Linux Foundationでホスティングされている。MeeGoはネットブックや車載用など複数のインターフェースが用意されている。すでにタブレットなどMeeGo搭載端末が登場しているが、スマートフォンではN9が初。N9では「MeeGo 1.2(Harmattan)」を採用している。

Nokiaは2011年2月にプラットフォーム戦略を変更し、米Microsoft「Windows Phone」をメインのスマートフォンプラットフォームとすることを発表した。これにより、MeeGoは「実験的」と位置づけられ、2011年に1台のみ投入するとしていた。それがN9となる。なお、同社CEOのStephen Elop氏は6月初め、英ロンドンでのイベントで初のWindows Phoneを2011年中に発表することを明らかにしている。

N9は、3.9インチ(WVGA)のAMOLEDキャパシティブタッチ画面を搭載。ARM Cortex-A8ベースの1GHzのCPUを搭載、RAMは1024MB、16GBまたは64GBのストレージオプションを用意する。 ホーム画面キーなどのボタンがなく、アプリケーション利用中に画面をスワイプすることでホーム画面に戻るなど、革新的な操作性が特徴。ホーム画面では、ソーシャルイベントのフィード「Event」、アプリケーションライブラリ「Application」、起動中のアプリケーション「Open Application」の3つのビューにより、簡単かつ直感的にナビゲートできるという。アプリケーションは、Facebook、Foursquare、Twitter、Skype、Vimeoなどをプリロードした。Nokiaのアプリストア「Ovi Store」も利用できる。

スワイプするとホーム画面に戻る。

このほか、 HD動画の撮影に対応した、Carl Zeiss光学レンズを利用した8メガピクセルのカメラを搭載。90カ国の地図データが入ったナビゲーション、WebKit 2ベースのWebブラウザ、HTML5サポートなども特徴となる。無線方式はWCDMA/HSPA、WiFi(802.11 a/b/g/n)、Bluetooth、A-GPSなどをサポートする。NFCにも対応した。

8メガピクセルのカメラを搭載

寸法・重量は116.45×61.2×7.6mm・135g

ボディはポリカーボネートを利用し、独自のカーブを持たせた。色はブラック、シアン、マジェンタの3色。発売は今年夏後半の予定、価格や提供市場などの詳細については公開されていない。