今、日本全体が非常事態にあります。そうした中で、私たち富士通も、ICTで社会インフラを支えている企業として、災害復旧に全力を挙げているところです。情報収集と意思決定を支える情報プラットフォームや、コミュニケーションを支える通信インフラ、物流や経済活動を支えるシステムなど、社会の重要な部分を私たちは担っています。
皆さんの中には、このような大災害に直面して、一つでも多く、自分にできることをやりたい、そう思っていらっしゃる方も多いでしょう。そういう意味では、今日から、皆さんも富士通グループの仲間であり、社会インフラを支える富士通という大きなチームの一員として、頑張っていただくことになります。
そして、何より、皆さんが社会人として、胸を張って働いていくことこそが、復興を支える力となります。被災地を支援し再建するためには、富士通はもとより、日本経済全体が健全でなくてはなりません。有事であるからこそ、私たち一人一人が、あえて平常心で業務を遂行することも、大切なのです。
被災地のことを思うと、心が痛みます。安全な場所で研修を受けることに、罪悪感さえ覚える人もいるかもしれません。しかし、復興を願いつつ、あえて今は目の前のことに集中してほしいと思います。自分に与えられた環境の中で、最大限の努力をしてください。力をあわせて、社会に、人に、役立つ「何か」を実現する、そういう信念をもって仕事をしてほしいと思います。
富士通は、ICTを通じて、日本の復興を支えていきます。大災害にみまわれましたが、日本は必ず復活する、そして、世界の発展に貢献できると確信しています。
例えば、日本に限らず、アジア・太平洋地域は、世界でも非常に自然災害が多く、被災者数でいうと世界の9割を占めています。防災体制の強化が社会的課題になっています。地球観測衛星や通信衛星をつかってアジアの防災活動を支援する「センチネル・アジア・プロジェクト」では、富士通が重要な役割を担ってい ます。
日本の問題は、決して日本だけの問題ではありません。今回の震災によって、日本も世界の一部であるということを、改めて実感させられました。空や海だけでなく、ビジネスや経済でも、世界は一つにつながっています。これから、私たちは、どこにいようと、世界でビジネスをしているのだ、という感覚を持ち続ける必要があります。