このたびの東北地方太平洋沖地震で被災された皆さまに、心よりお見舞い申しあげます。大きな地震と津波により多くの被害が出ていますが、当社は地震発生直後から迅速に被害状況を把握し、お客様のシステム復旧、ならびにITを活用した震災関連情報の共有のためのご支援を続けています。皆さんの先輩が、東北と日本の復興のために、今も尽力しています。また、世界170カ国約40万人のIBMerからも、日本への温かいメッセージや迅速な支援を受け取っています。こうしたすばらしい仲間とともに、本日の皆さんの入社を、心より歓迎します。

日本は今、戦後最大の困難に立ち向かっています。しかし日本は、これまでも何度も大きな困難からの復興を遂げてきました。日本人の最大の強みは「優秀な人材」です。とりわけ大きな困難の時には、復興というひとつの目標に向かって、集中力と団結力を発揮し、経験から知見を生み出し、それを世界が認める高い技術力で、復興と成長の力に変えてきました。

また、IBMコーポレーションは、来る6月16日に創立100周年を迎えます。IBMの100年の歴史は、変革の歴史です。自らのビジネスモデルを絶えず変革し、市場を変革するテクノロジーを生み出し、お客様の変革をご支援してきました。その中で重要視されてきたのが、多様性です。グローバルに事業を展開する企業として、早くから国籍、性別、経験、文化的背景の違いといった多様性を受け入れ、そして多様な人材を育成し活用する企業として、世界をリードしてきました。

IBMは2008年に、地球をより賢く、よりスマートにするためのビジョン「SmarterPlanet」を発表し、持続可能な社会システム実現のために必要な知見とソリューションを提供しています。そして、今回の震災を機に、人類や地球の持続的な豊かさのために必要なモノや技術を創り出すという新しい価値観への変化と、それに基づく新しい経済モデルへ変化が、より加速すると考えています。

皆さんは、日本の、そしてIBMの大きな節目の年に入社します。今年は、これまでの100年から、次の新しい100年へ向かう年です。ぜひ、ひとりの社会人として積極的に、これからますます加速する「変化」をおそれず、世界を舞台にした「多様性」の中で個性を発揮し、そして働くという経験を通じて「自己実現」を図っていってください。これらの経験が人としての成長につながり、それが企業や社会の発展につながります。新しい時代の最初の年に入社する皆さんが、「変化」、「多様性」、「自己実現」を重ねて、これからの時代の創造者になることを期待しています。

新入社員数 日本IBM:135名、日本IBMグループ会社:41名