一般に、ネットブックやネットボックスの多くは割り切りの端末だ。メールとネットさえできれば十分、本格的な作業はしないからこれで足りる、というような考え方で選択されることが多い。しかしDP312-LT1にはオンキヨーらしさが凝縮されている。

156×47.1×162.6mm(スタンド除く)というコンパクトなボディながら、地デジチューナーとFM/AMラジオチューナーを搭載できるのが大きな特徴。どちらも搭載しないシンプルな基本構成モデルは57,800円から。両方搭載したモデルは77,800円からと比較的手頃な価格だ。特に、TVチューナー搭載モデルは数多く存在するものの、ラジオチューナーを搭載しているPCは珍しい。

最近ではFMチューナーを搭載しているオーディオプレイヤーは増えてきたものの、実はAMチューナー搭載モデルはそう多くない。いざAM番組を録音しようと思うと、ラジカセを引っ張り出してくるしかない家庭も少なくないだろう。作業用BGMにしたい、深夜番組、語学番組を録音して通勤中に聞きたいと考えている人はもちろん役立つが、ラジオをあまり聞かない人にとっても身近に使えるツールになってくれるはずだ。リアルタイム聴取の他、予約録音にも対応。録音したファイルは自動的にWindows Media Playerのライブラリに登録される。

ラジオは利用地域の設定をするとプリセットのチャンネル一覧が表示される

予約録音では繰り返しの録音なども予約可能

TV機能はシンプルながら必要十分で、リアルタイムでの視聴と録画、EPGを利用した予約録画などに対応する。録画ファイルのダビングには対応していないが、HDMIを搭載しているため大型TVへの出力が可能だ。リビングのTVサイドに設置して、録画機器として利用しても良さそうだ。

統合アプリケーション「PureSpace」は、TV・ラジオの視聴も行える

DP312-LT1のTV/ラジオ機能のコントロールは、統合AVアプリケーション「PureSpace」から行う。音楽再生、動画や静止画の閲覧、ラジオ・TV機能の利用などを利用できるソフトで、離れた位置からリモコンで操作もしやすいインタフェースだ。

PureSpaceは単に視聴機能を提供してくれるだけではない。音質劣化の要因となる音量ミキサーをバイパスして、音声信号をサウンドデバイスにダイレクトに伝送する独自技術「PDAP(Pure Direct Sudio Path)テクノロジー」を採用することで高音質を実現。さらに、再生中のソース以外の音、つまりメールの着信音やメッセンジャーのアラートなどを鳴らさないでくれるから、いいシーンで突然着信音が鳴って台無しということもなくなる。大音量での音楽鑑賞も安心だ。

ラジオのアンテナケーブルセットは、取り付けるとだいぶかさばる。アンテナケーブルも伸ばしておく必要がある