ノートPC出荷台数の中にミニノートの占める割合は高くなっている。格安で購入できることが人気のポイントだが、ミニノートは機能的に我慢しなければならないことも多い。特にディスプレイ関係とキーボードには我慢を強いられているユーザーが多いのではないだろうか。小さく解像度の低いディスプレイと、指のもつれる狭いキーピッチ。小型機種特有の多少我慢が必要な部分ではあるが、ミニノートの場合は特に不自由感の強いモデルが多い。
これら機能面でのストレスを一気に解消してくれるのが「HP Pavilion Notebook PC dv2秋モデル」だ。12.1型ワイド液晶ディスプレイとWXGA(1,280×800)の組み合わせはかなり広々と作業できる印象だ。グラフィックスチップとして「ATI Mobility Radeon HD 3410」を搭載しているだけに、もたつきや違和感はなく描画性能も申し分ない。そして、キーピッチ17.5mmおよびキーストローク約1.8mmのキーボードは違和感のないタイピングを実現してくれる。標準でメモリ容量2GB、HDD容量320GBと共に問題はなく、USBポート3つにHDMI(1.3b)端子も用意されている。高音質なALTEC LANSINGスピーカーを標準搭載している点も注目だ。ただ夏モデルと比較して、外付けDVDスーパーマルチドライブが標準付属ではなくなったのが残念ではある。
本体デザインもピアノブラックとシルバーを基調としてすっきりとまとまっており、安っぽさはない。ボディとトップカバーにマグネシウム合金が採用されているおかげで剛性面でも安心感がある。キーボード面に描かれているデザイン「kirameki」(煌)は表面にプリントしてあるのではなく「HP Imprint」(インプリント)テクノロジーで透明な塗装の下に閉じ込められている。使っているうちに薄れてしまう心配もなく、購入段階でも派手すぎない。ツルリとした黒の表面に薄いシルバーの模様には、少々和風の印象もあって面白い。
79,800円という価格はミニノートとしては高い。しかし一般的なノートPCを買うよりはかなり安い。もちろん高価格のモバイルノートPCと何もかも同じというわけではなく、特に重量の面では1.7kgと気軽に持ち運ぶには重い。「HP Pavilion Notebook PC dv2秋モデル」を選ぶ上で最大の妥協ポイントになるのがこの重さだろう。一方で、据え置き中心の"デスクノート"として重さにさえ納得できてしまえば、機能的に我慢する必要がないという最大の特徴、メリットが見えてくる。