安定すれば高速通信が可能

今回のゲートウェイセットは、外出先と自宅の回線をすべてUQ WiMAXでまかなうというサービスだ。実際にどの程度のスピードが出るか、というは気になる点だろう。

現時点では、まだ試験サービス中であり、基地局が順次増設されているところだ。まだ基地局の数が十分ではないので、23区内などのカバーエリア内であっても、十分なスピードが出ない、またはそもそもつながらない場合がある。もともと、UQ WiMAXで使われている電波の周波数2.5GHz帯は、浸透性が携帯などに比べてよくないので、屋内では接続が不安定になる場面も散見された。

筆者が住む江東区のマンションの5階の場合、東側の窓際に設置したところ、ぎりぎり接続できる、というレベルだった。

23時台にテストしたところ、1Mbps程度の通信速度だった(speed.rbbtoday.comで計測)。場所を変えてみたところ、2~4Mbpsの通信速度に向上。さらに11時台に新宿・京王プラザホテルの47階で試すと1Mbps程度。日比谷の喫茶店で16時台に試したところ3Mbpsを超えた。

また、高速移動中の通信速度も調べようと、車で首都高速に乗って王子から板橋まで走行したところ、場所によっては10Mbps以上を記録した。接続が不安定だったのはハンドオーバー性の問題かエリアの問題かは分からないが、それでも電波の強いところでは10Mbps以上の速度が出たのはさすが。ここまでの速度が出ればかなり快適だ。

PCと接続したところ。それほど小型のサイズではないが、この状態で横に倒せばキーボード入力の邪魔にはならない

接続中はランプが青く光る

このほかゲートウェイセットのメリットとしては、通信の不安定さが解消できるという点も挙げられる。本来であれば屋内でも直接データ端末をPC接続して使えばいいのだが、屋内だと電波の入り具合にムラがあるので、電波が入りやすい場所にルータを設置しておけば、より安定してUQ WiMAXのサービスを利用できるようになる、というわけだ。ルータを窓際に設置して無線LANで接続すれば、わざわざ電波が強い場所を探してPCを設置する必要がなくなる。もちろんルータとして複数のPCを同時に接続できるというのも大きなメリットだろう。

実際の利用シーンとしては、外出するときはルータから端末を抜いて持ち出し、屋外ではモバイルでUQ WiMAXを利用。帰宅したらルータに接続することで、そのまま家庭のWAN回線として利用する、という使い方になる。現時点でも、電波が十分に入るところであれば高速な通信が可能で、モバイルWiMAXの潜在能力の高さが伺える結果だった。

現在、このゲートウェイセットのモニター募集が行われており、カバーエリア内のユーザーであれば十分テストする価値がある。屋内だとなかなか入りづらい場合もあるが、窓際を探せば電波が入る可能性が高くなり、このゲートウェイセットが威力を発揮する。

すでに固定回線を持つユーザーであれば今回のゲートウェイセットを選択する理由はそれほど多くはないが、自宅にいる時間が少ない単身者などは、固定回線の代わりにUQ WiMAXを利用することは非現実的な選択ではなさそうだ。