:一般的な話になりますが、FPGAのFreeman特許やCarter特許が切れたため、様々なベンチャー企業がFPGAマーケットに参入してきました。結果として競合ベンダが大幅に増えたことになるわけですが、これをどう思われます?

Tralka:Xilinxは合計で1,000以上の特許を保持しており、25年を超える経験がある。確かに基本特許が失効したことで、多くの企業がFPGAに参入しつつあるが、まだ沢山の特許が有効なわけで、これらを使わずに競争力のある製品を開発してゆくのは非常に困難であろう。

特許以外の部分のビジネス、例えばソフトウェアとかIPとか開発ボード、リファレンスデザイン、3rd Partyのeco system、その他の諸々を考えても、やはりこうした新興企業が我々と同等のものを作り上げるのは困難だと思う。

:記者発表では、Gavrielov氏が「ProgrammableがKeyになる」という話をされました。で、同じ事をIntelも言う訳です。彼らは汎用プロセッサしか持ち合わせていませんが、非常に高性能で、非常に安価です。確かに1チップでは構成できませんが、トータルコストという意味ではVirtexの様なハードウェアとそう変わらないと主張しています。将来的には、こうしたFPGA以外のSolutionとの競合も問題になると思うのですが。

:すでに1つ例があります。先ほどFPGAを使うApplicationとしてFPDが挙げられましたが、東芝が2009年1月にCESで発表した製品は、240fps表示と超解像技術をCellプロセッサで実現しました。従来ならばFPGAなどを使って実現していた領域に、Cellという汎用プロセッサが入ってきたわけで、つまりこうしたハイエンドの領域ではFPGAと汎用プロセッサの競合が始まったとも考えられるわけですが、いかがでしょう?

Tralka:CPUは半導体業界で重要なパートであるが、今のところFPGAとは異なる領域にフォーカスしている。CPUはシーケンシャルな処理を実現するのに向いているが、FPGAは非常に並列度の高い処理の実現に適している。多くのアプリケーションが(FPGAの)特性に合わせて作られているし、またComputation Bandwidthも(CPUよりも)遥かに大きい。またFPGAでは、異なるFunction、それはControlだったりProcessingだったりInterfaceだったりするわけだが、それらを柔軟に構成したり、変更することがハードウェアレベルで可能である。

確かにIntelのいう事は正しいと思う。ただFPGAは、Hardware PlatformにSoftware Flexibilityを提供するものだ。だからCPUとは又異なったものになると思う。

:5年あるいは10年後はどうでしょう? Intelに限らず、多くのベンダがParallel Processingを志向しており、並列度に関してはもっとギャップが縮まるとも思えるのですが?

Tralka:確かに皆がParallel Processingを目指しているが、これを効果的にプログラムするための方法がまだ確立されていない。将来的には何らかの解決策が出てくるかもしれないが、今のところそうした話はない。Parallel Processingでいえば、我々の顧客の中には1つのFPGA内に1000個のMicroBlazeを組み込んだ例もある。

話を戻すと、FPGAによるParallel Processingと、FPGAを使わないマルチプロセッサでは、大きな違いが1つある。それはソフトウェアだ。FPGAを使わずにこうしたシステムをプログラムするのは、大変に難しいだろう。