Q:そういった話だと、第3四半期の業績をみると通信の分野でかなりVirtex-5が伸びたという話で、これをVirtex-6に繋げてゆくというイメージかと思うのですが、通信の業界がそんなに伸びて行くと考えて良いんでしょうか?
Tralka:基本的にVirtex-6はVirtex-5が掴んだマーケットをそのまま継承してゆくことになると思う。主なものは通信向けであり、これは当社にとって非常に重要であり、日本でも多くのカスタマに採用いただいている。
大:ただご存知の通り景気後退にともない、まずプロバイダが投資を削減したり展開を遅めたりしはじめており、これにともなって機器ベンダも製品投入を遅らせたりしています。特にここ1~2年は、通信の分野はかなり厳しい事になると思うのですが?
Tralka:ここ1~2年、ビジネスはより難しくなるだろう。これは間違いない。しかし、だからといってFPGAへのニーズが減るとは思っていない。日本のカスタマはご存知の通り、ASICを非常に好んでいる。が、景気後退期においては、大量のチップの量産を計画する事は、投資額を考えると非常に難しく、これにより新しいASICを作るのは困難になると思う。私個人の考えとしては、こうした困難な経済状況の中でFPGAは最適な解だと思う。開発コストの削減が可能だし、経済の状況変化に応じてフレキシブルに構成を変えられるからだ。
短期的に見れば、(こうした景気後退期は)ビジネスを困難にするが、長期的に見ればFPFAにとって、ASICからビジネスを掴むチャンスの時期だと考えている。
Q:すると、Virtexというのは今までの通信市場をメインとした業種をターゲットとするデバイスと考えていいのでしょうか? それとも、これまでに無いような業種を開拓してゆく可能性は?
Tralka:売り上げの半分は通信向けだが、これもWiredとWirelessで構成が大きく変わってくる。要求されるものも、マーケットも大きく違う。一方残りの半分は、さらにMedical、Test、Aerospace、Audio/Video Broadcastなどの様々なマーケットに向けた、多数のアプリケーションで構成される。確かに通信向けは最大で、他のどんな業種向けもこれには敵わないが、だからといって通信に特化しているわけではない。
Q:ではSpartanはどうでしょう?
Tralka:Spartanも高い割合を通信向けが占める。WiredとWirelessが2大アプリケーションだが、ハイエンドのコンシューマ機器、先ほども触れたFPDのコントローラがその好例だが、こちらもターゲットだし、またAerospaceやTest and Measurement、Medical Deviceなどもターゲットだ。このMedical Deviceは日本でも多く採用例がある。あるいはFA(Factory Automation)など産業向けもある。
大:そのコンシューマ機器ですが、比較的ハイエンド向けの製品がメインに思うのですが、もっと安価な機器、例えばコンパクトデジカメの様な低価格な製品はどう考えているのでしょう?
Tralka:そうした安価な製品向け、特に携帯型とか省電力のコンシューマ機器には、CPLD製品を充てるのが一般的だ。ただ、今後はSpartan(-6)もこうしたマーケットを考える事になるかもしれない。