2007年は中国のWAPサーチサービスの「元年」

中国でも、携帯電話でWAP(Wireless Application Protocol※)サーチサービスを利用するのは、取り立てて珍しいことではない。しかし2007年、グーグル(谷歌)に続き、中国検索エンジン最大手の百度が相次いでこの領域に進出してきた。中国で最有力の検索エンジンであるこの2社が動くや、国内のWAPサーチサービス全体がにわかに活発化し始めた。ある意味で、2007年は中国のWAPサーチサービスの「元年」といえる年だったのかもしれない。

※携帯電話等のデバイスでインターネット閲覧等のサービスを可能にする為の技術仕様

携帯電話の場合、ユーザー層や使用環境、需要、端末などがインターネットと大きく異なるので、インターネットサーチサービスの「WAP化」がWAPサーチサービスの全てとはいえない。逆に、この新しいプラットフォームは、サーチサービスの新たな定義と革新、探索と実践を必要としている。

WAPサーチサービスについて定義すると、それはWAP技術を利用し、必要な情報とサービスを携帯電話ユーザーが検索手段を用いて取得することをサポートすること、となろう。

期待は高まるも広告では稼げていないのが現状

PCにおけるインターネット検索エンジンと同じように、WAPサーチサービスを提供する企業もビジネス的関心を広告に向けている。携帯電話は第5のメディアとして、最も確実かつ実用的な優位性を持っている。そのため、PCにおけるサーチサービスと比べても、なお明るい未来がWAPサーチサービス事業に開けているとみる向きが多くを占めている。

しかし、市場の現状からみれば、WAPサーチサービス各社はまだ広告からの大規模な利潤は得られておらず、まして、ほとんどの検索エンジンでは、広告業務自体が展開されてもいない。