2005年、Nicholas Negroponte教授は、途上国の子供たちのために100ドルのノートPCをデザインし、世界の1億5,000万人の生徒たちの手に行き渡らせるアイディアを発表した。こうして始まった「One Laptop Per Child」略して"OLPC"と呼ばれる、非営利プロジェクトによって開発されたノートPCが、本稿で紹介する「OLPC XO」(以下、XO)である。

「One Laptop Per Child」を掲げたプロジェクト初の製品版である「OLPC XO」

ポップな色使い、かつその意匠もちょっと独特。一度見ると忘れないようなデザインだ

残念ながら記事執筆時点では、当初の目標だった100ドルという価格を達成できず199ドルとなっているが、クロック数366MHzだったCPUはAMD Geode LX-700(433MHz)に、メモリは128MBから256MBに、ストレージのフラッシュメモリは512MBから1GBへと、その機能を大幅にアップしている。これらのおかげで、ストレスなく使用できることが期待できる。

今回様々な話題、噂となったOLPCプロジェクト初の製品版を入手し実際使ってみて、教育プロジェクトと宣言しているだけあって、従来のノートPCとは一線を画すものに仕上がっているのが分かった。安価で提供することが目標の1つであるにもかかわらず、途上国の子供たちのために、最新技術を惜しみなく投入したXOの魅力を紹介したい。

「OLPC XO」の入手について

記事執筆時点において、XOは一般向けにはまだ販売されていない。入手するには、XOを2台分の価格で購入し、1台を寄付することで1台を入手できるという、「Give One Get One」プログラムを利用する必要があった。

このプログラムは2007年11月12日から2週間限定で、かつ、北米・カナダ在住者のみを対象としており、日本では購入はできなかった。

また、北米在住者には、スターバックスや大型書店Borders Booksなど、8,500カ所以上のアクセスポイントが使用可能な、T-Mobileのホットスポットが1年間無料で使用できる特典が付いていた。これだけでも350ドル以上の価値があり、さらに200ドルは寄付として申請できるため節税にもつながる。こうして考えると北米在住者にとっては、お買得な製品ともいえる。