• 「VAIO」が過去最高、ノジマ決算で判明 - 高付加価値でPC市場低迷を跳ね返す

    「VAIO」が好調。国内全体のPC出荷が減少するなか、逆行して事業が拡大している

ノジマが発表した2026年度第1四半期(2026年4月~6月)連結業績において、VAIOの売上高と経常利益が、過去最高値を更新したことが明らかになった。

VAIOの業績を示すプロダクト事業セグメントの売上高は前年同期比2.9%増の163億4300万円、経常利益は同25.3%の15億2300万円となった。

業界団体である一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が先頃発表した2026年度第1四半期の国内パソコン出荷台数は、前年同期比23.1%減と大きく減少。出荷金額も同4.7%減と前年割れとなっている。

前年同期には、Windows 10のサポート終了に伴う買い換え需要があり、第1四半期は、その反動が見られているほか、2026年4月以降、部材価格の高騰などを背景にしたパソコン本体価格の上昇が影響し、一時的に販売にブレーキがかかっているとの見方が出ている。

こうした厳しい市場環境になかでも、VAIOの事業は拡大しているというわけだ。

ノジマでは、「メモリーなどの市場価格が高騰し、一部供給の逼迫が継続する市場環境のなか、VAIOは引き続き安定した供給体制を維持したことが売上げに貢献している。さらに、VAIO初となるCopilot+PC対応の個人向けパソコンのVAIOR SX14-Rや、法人向けパソコンのVAIOR Pro PK-Rを発売し、AI PC市場に向けた製品ラインアップを拡充したことが功を奏した」としている。

VAIOでは、2026年4月23日から、パソコン本体の価格を値上げしているが、それによるマイナス影響は出ていないといってよさそうだ。

また、「ノジマ全店舗で、VAIOマイスター制度」を導入。店舗での購入体験の向上を図ったほか、個人向け指定価格制度を開始し、製品価値に見合った適正な価格での製品提供を実現した。販路に依存しない統一価格を実現することで、顧客に安心して、VAIOを選択してもらえる環境を整備した」と、第1四半期の施策についても触れている。

  • ノジマが展開している「VAIOマイスター制度」

    ノジマが展開している「VAIOマイスター制度」

ノジマは、2025年1月にVAIOを買収しており、2年目に入っている。

VAIOでは、2026年度は、前年実績を上回る販売台数計画を打ち出しており、「生成AIの活用拡大や生産性向上への関心を背景に、AI PCの需要は、法人および個人の双方で、徐々に拡大するものと見ている。高品質、高付加価値な国産PCに加え、AI時代の働き方を支える製品、サービスの提供を通じて、安定的な成長を目指す」としている。

今年に入ってから、8月10日を「VAIOの日」に制定し、まもなく初めてのVAIOの日を迎えることになる。

ノジマの野島廣司社長は、4月21日に開催したノジマによる日立の家電事業買収に関する記者会見のなかで、「8月10日に世界初となるPCを発表する」と発言。果たして、どんな製品が登場するのか、その動きが注目されている。

また、「VAIOの日」をきっかけにしたプロモーション施策などにも注目が集まる。こうした取り組みも、第2四半期以降の販売台数の増加に貢献することになりそうだ。

  • 長野県安曇野市「VAIOの里」で製造される「国産PC」であることも高い付加価値を生んでいる

    長野県安曇野市「VAIOの里」で製造される「国産PC」であることも高い付加価値を生んでいる

なお、ノジマの2026年度第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比6.1%増の2420億円となり、過去最高を更新した。営業利益は同6.2%減の137億円、経常利益は同84.0%増の299億円、EBITDAは同61.6%増の362億円、当期純利益は同100.0%増の205億円となった。経常利益と当期純利益に関しても、2020年度のスルガ銀行などの持分法による投資利益を除くと、過去最高を更新しているという。

また、2026年度通期連結業績見通しを上方修正した。

売上高は300億円増額し、前年比4.8%増の1兆300億円とした。営業利益の590億円、経常利益の760億円、EBITDAの970億円、当期純利益の480億円は、期初計画をそのまま据え置いた。

2026年度第1四半期のセグメント別業績では、デジタル家電専門店運営事業が、売上高が前年同期比17.5%増の903億円、経常利益は2.3%減の61億円。売上高は過去最高を更新している。地域特性に応じた独自の販促およびセールを展開した結果、とくにエアコンやテレビ、洗濯機の売上げが伸長し、市場全体の伸びを上回ったという。デジタル家電専門店は244店舗となっている。

キャリアショップ運営事業は、売上高は前年同期比0.6%増の915億円となり、過去最高を更新。経常利益は同6.3%減の56億円となった。3Gサービス終了に伴う特需の反動減が生じるなか、店頭でのイベント開催や新たなサービスの提供を通じて、顧客接点を拡大。現場発のDX施策による業務改善や接客品質の向上を推進し、高付加価値な顧客体験(CX)の提供に努めたという。キャリアショップは、直営店およびFCを合わせて、944店舗体制となっている。

ニフティをはじめとするインターネット事業は、売上高は前年同期比3.6%増の190億円、経常利益は同45.5%減の9億円。ブロードバンド会員は増加いたが、関連費用の増加により、利益は前年実績を下回った。「今後もサービス、サポートの品質を落とさず、お客様に選ばれ、満足いただける取り組みを進める」としている。