では個別のSuiteをもう少し見てみよう。Memories(グラフ45)は、

Memories 1:

・CPUからメモリ中の画像イメージの操作
・HDDから画像の読み込み

の並行動作

Memories 2:

・GPUから画像イメージの操作
・HDDから動画読み込んで編集

の並行動作

Memories 3:

・DVのビデオ映像をポータブルデバイスにトランスコーディング

Memories 4:

・メディアサーバー中にアーカイブされたビデオ映像をポータブルデバイスにトランスコーディング

の4つのシナリオからなる。結果はというと、Memories 1/2では明らかに64bit化の効果があるのがちょっと面白い。また32bitではKentsfieldに比べるとYorkfieldが若干高速だが、これはL2キャッシュの大容量化に起因するところかな? という気がする。ただ64bitではこれが逆転している場合もあることを考えると、誤差の範囲かもしれない。

ついでTV and Moviesであるが(グラフ46)、こちらは、

TV and Movies 1:

・HD DVDの映像をメディアサーバーにトランスコード
・HD DVDの映像再生中に、HDDから低ビットレート映像を重ねて再生

の並行動作

TV and Movies 2:

・HD DVDの映像をメディアサーバーにトランスコード
・19.39MbpsのHD MPEG-2映像を再生

を並行動作

TV and Movies 3:

・HDD Media Centerの動作をシミュレーション

TV and Movies 4:

・メディアサーバー中にアーカイブされたビデオ映像をポータブルデバイスにトランスコーディング
・Blu-rayの48Mbps HD MPEG-2映像の再生

といったシナリオからなる。結果はというと、TV and Movies 2/3で64bitが非常に効果的であるのがちょっと興味深い。アプリケーションそのものは32bit/64bitで共通だから、この効果はもっぱらOS周りに起因するところになる。どのあたりでこれがもたらされるのか、もう少し調べてみたいところだ。また、そもそも扱うべきデータ量が非常に多いためか、Yorkfieldが若干とは言えアドバンテージを持っているのは面白い。