1枚だけでは比較しようがないから、もう1枚見てみたい。今度はこちら(Photo17)である。
Photo17:これは元データの12997フレーム目のもの。ちなみに元データはやはりUlead Pick-a-Video ボックスコレクション2の「タイトル09:シティライフ」に入っているPav9_1.aviの299フレーム目となる。 |
先と同様にエンコードを掛けたあとの画像がPhoto18~Photo20、元データとの差分がPhoto21~23、エンコード後画像同士の差分がPhoto24~26である。
とりあえずPhoto18~20の歪みっぷりはかなりひどく、空の表現とか画面奥のビルの劣化が著しいため、Photo21~23がかなり凄いのは当然として、エンコードの方式毎による違いも著しい。これはもっぱら噴水の軌跡に関する部分で、当然水滴は変形しながら移動するので、MEをどこまで正確に行えるかはかなり微妙なところ。Photo18~Photo20を比較してみて、Photo18よりも19がマシとか20の方が良いとは、非常に言いにくい事がおわかりいただけよう。実際、Photo24~26を見る限り、空とかビルに関しての差異は殆どなく、違いはもっぱら水滴に集中している。
このレベルで言えば、SSE2/4を使ったフルサーチと、通常のDivXのサーチで違いは無いと判断するのが妥当ではないか? というのが筆者の素直な意見である。確かにSSE4のMPSADBWを使うことで、フルサーチを簡単にインプリメントできるとしても、それが結果に反映されるかどうかは微妙なところ。で、性能がオリジナルのサーチに追いつかないのであれば、SSE4を使うメリットは現時点ではなさそう、という気がする。
勿論これは「現時点では」の但し書き付き。例えばステップサーチを使った広域サーチとか、GME(Global Motion Estimation:全画面検索。カメラのムーブとかパン/ズームなどに対応した、「画面全体の動き」を検索する)などにはSuper Shuffle Engineを併用することでかなり効果的ではないか? という気もする。とりあえずSSE4に必要なのはMPSADBWを生かせる(つまり単なるベタサーチ以上の)検索方法の開発ではないか、と思う。