タダで英語を体験できる場

セカンドライフ(Second Life)を始めた、あるいは始めたいきっかけが「英語学習」という方がいると思います。筆者もその一人です。セカンドライフでは文字ベースのチャットはもちろん、今ではボイスチャットも快適にできます(ただし、同時アクセスが4万~5万人を超えるような混雑時は聞きづらいことが多いように思います)。

とにかく、おかげさまで、日本からほとんど出たことのない筆者も、いろんな国の人たちと、人間としての共通性や文化の違いをバーチャル体験することができました。セカンドライフでは経済活動もできますから、商品が届かなかったり、壊れていたりしたときは売り主と交渉することもありましたね。幸か不幸か(?)ケンカになったこともあります。まあ、ケンカといっても文字の応酬のチャットですけどね。配達ミスのあった商品はとうとう入手できませんでしたが、日本円換算で150円ほどの被害。英語ネイティブの人と超マジseriousな応酬を30分以上繰り広げたんですから、英語学習的な観点から言えばワタシの勝ちです。たぶん。

セカンドライフはTOEIC対策にはならない?

ただし、こういった英語体験が、たとえばTOEICの点に直結するかというと、それは難しいかもしれません。それには、次のような理由もあります。

  1. 英語のネイティブスピーカーが少ない。
  2. 会話の相手は、こっちの英語の間違いをいちいち教えてはくれない。

筆者がセカンドライフ内に英語ネイティブ、特にアメリカ人が意外と少ないと感じる理由は、日本人がアクセスしにくい時間帯、日本の深夜から夕方前までが彼らのよくアクセスする時間帯だからでしょう。一方、日本で仕事が終わった夕方から、ちょっと夜遅くまでアクセスしていると、オセアニアやヨーロッパの人とは出会いやすいようです。

ところで、オヤジ度全開の感想を言えば、ヨーロッパ在住の金髪白人だからといって、英語がペラペラというわけではないことがわかったのは、うれしいオドロキでした。「ワタシ、英語、ダメダメね」とドイツ人が言ってきたり、「ワタシ、英語、ワカラナイ」と言って逃げて行った人(たぶんスペイン人)さえいるんですよぉー。セカンドライフには翻訳機もあり、これを使って英会話をしている人もいます。

とにかく、筆者の友人の多くが英語ネイティブではなく、お互いに少し苦労しながら英語で意思の疎通を図り、つるんでいます。英語ネイティブの友人も、決して筆者に英語を教えるために時間を割いてくれるわけではありません。まあ、かなり羞恥度の高いタイプミスや文法の間違い、不適切な用語があると、指摘してくれることもありますけど。

ボイスチャットにしても、英語ネイティブが相手だと筆者には難しすぎます。最近、筆者は店舗用スペースを借りたのですが、大家さんがボイスチャットをよく利用する方で、なんだかんだと容赦のない英語で話しかけてくれます。とっても良い方で、先日は屋根裏部屋を改造してスタッフルームを作っていただいたのですが、「階段をそこに作るから、そこら辺のものをちょとどけて」と言われのに、大掛かりな改築と勘違いして、部屋中のものをチャッチャカ消去してしまいました。元にもどすのに2時間もかかりました……。

こういった失敗を繰り返しながら言葉って覚えていくのね、と開き直るのもひとつの手です。でも、これだけの環境があるのですから、もっと効率のいい英会話学習法がありそうなものです。

複数の言語に対応した「Babbler」は有名なフリーの翻訳機です。画面は、配給場所で装着した翻訳機を設定しているところ。自分の言語、相手の言語、相手の名前などを入力して利用します。Yahoo! の翻訳ページをパイプでつないだものなので、日本語翻訳の精度は想像できるでしょう